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あれから20年、イラクは変わらないか

ロシアによるウクライナ侵攻より前の「大儀なき戦争」の代名詞だったあの戦争勃発から20年を迎えましたが、その当事国は今・・・?

引用

まん延する汚職文化 経済振興阻害、深まる政治不信 イラク

【カイロ時事】イラクでは2003年の戦争後、米国主導でもたらされた民主主義体制の下、汚職文化が根付いた。

 スダニ首相は昨年10月の就任に先立つ演説で「生活のあらゆる面に影響する汚職のまん延は、新型コロナウイルスより致命的だ」と強調。しかし、国民の政治不信は深く、汚職撲滅への期待は低い。

 イラクは国家収入の約9割を石油産業に依存する。民間企業が育たず、公務員を過剰に雇用することで国民生活を支えてきた。若者の人口が増加し、雇用の受け皿を確保する経済振興が喫緊の課題だが、政界にはびこる腐敗が阻害要因となっている。

 スダニ氏は就任早々、21年から約1年間で総額25億ドル(約3300億円)が当局から企業に流れた事件の究明に着手。「利害関係者が国を乗っ取っている」と糾弾し辞任した元財務相にも、公金横領容疑で逮捕状が出され、闇の深さがあらわになった。

 歴代政権も汚職撲滅を掲げたが、政争に利用されることもあり、実現には程遠い。03年のフセイン政権崩壊後、4000億ドル(約53兆円)以上が国庫から消えたとされる汚職構造の改革にスダニ氏が本気で取り組むか、疑問視する声もある。

 戦後のイラクは独裁政権の教訓から、権力分散を徹底するため、民族や宗派で政治権力を分け合う方式を採用。これが石油や国際支援、省庁に関連する利権を分配する腐敗の土壌となった。

 北部アルビルの薬剤師ムハンマド・ナジーブさん(28)は「汚職がなければ、イラクは素晴らしい国になれるのに」と嘆く。九州大大学院の山尾大准教授(イラク政治)は「民主化などさまざまなことを一気に進めた結果、仕組みができる前に利権の争奪戦が始まった」と指摘。「独裁体制崩壊後、明るい未来を期待した国民の政治に対する憤りは大きい」と話している。

 最終更新:3/20(月) 7:47 「時事ドットコム」より
アメリカによるイラク戦争勃発から20年が経ったイラク、長年イラクを支配してきたサダム・フセインが倒されてからはテロと暴力、汚職が蔓延する絵に描いた❝無秩序❞状態になっているけど、「生活のあらゆる面に影響する汚職のまん延は、新型コロナウイルスより致命的だ」と昨年10月に首相に就任したムハンマド・スダニ首相は述べたけど、長年の混乱がもたらした国民の政治不信は収まっておらず、イラクを長年蝕む汚職の常態化を撲滅出来るのかと信用されていないみたいです。

大概のイラク国民からすれば、イラク政府はフセイン政権を反面教師としたのか民族と宗派で政治権力を分ける方式を取ったものの、イラク国内で大半を占めるシーア派、少数派のスンニ派、クルド人で対立することは目に見えており、当然自分たちの利益しか考えていないことから汚職が蔓延する事態となったのは言うまでもないが、また公務員を優遇したせいで民間企業が育っていないことも経済発展が遅れている上に汚職が無くならない要因となっています。
公務員を優遇したせいで経済が停滞、ギリシャもヒドかったがイラクはそれに輪をかけてヒドいってことかも知れない。

独裁者フセインが倒されて良くなると思いきや、かえって悪化してしまったイラク、フセインによる恐怖政治と汚職ばかりの今の政府とどっちが嫌かと思えば、ほとんどのイラク国民は後者を選ぶでしょうね。結局アメリカはイラクに何をもたらしたのか?

theme : 国際政治
genre : 政治・経済

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