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フランス政界を揺るがした事件、ドビルパン氏は「シロ」

引用

フランス:サルコジ氏虚偽告発事件 前首相に無罪判決--軽罪裁判所

【パリ福原直樹】フランスのドビルパン前首相(56)が政敵・サルコジ大統領(55)の追い落としを狙い、サルコジ氏の収賄容疑を捏造(ねつぞう)したとされる事件の裁判で、パリの軽罪裁判所は28日、前首相に無罪判決を言い渡した。これで前首相が政界に復帰し、12年の次期大統領選を目指す可能性が高まった。

 検察側などによると、前首相の知人らは前首相が外相などだった04年ごろ、台湾への武器売却に絡み、当時内相などだったサルコジ氏らが裏金を得たとするルクセンブルクの金融機関「クリアストリーム」社の文書を偽造。その偽の「贈収賄者リスト」を匿名で捜査当局に送った。検察側は「前首相は偽リスト作成を黙認した」として虚偽告発などで起訴していた。

 だが判決は、前首相の知人とされた3人を偽造文書の作成などで有罪とする一方、前首相については偽リスト作成を黙認した積極的証拠がないとして無罪とした。判決後、前首相は「今後、仏のために貢献していきたい」と語った。

 裁判ではリストに記載されたサルコジ氏らが当局に告発。サルコジ氏側は、「前首相はサルコジ氏が次期指導者とならぬよう仕組んだ」と主張した。

 両者は07年の大統領選で戦った保守派の有力候補で、「政敵」として長く対立していた。

 毎日新聞 2010年1月29日 東京朝刊
 フランス政界を大きく揺るがしたこの事件、2004年に当時外相だったドメネク・ドビルパン元首相が台湾に武器を輸出したことに関連し、当時内相だったニコラ・サルコジ(現大統領)氏らが裏金を得ていたとしてルクセンブルクの金融機関「クリアストリーム」社の文書を偽造し、ドビルパン氏がその偽造の贈収賄者リストを宛名で捜査当局に送ったことで、検察側が「前首相は偽リスト作成を黙認した」とドビルパン氏が架空のリストをでっち上げたとして、名指しで載ったサルコジ氏側が当局に起訴したのでした。

 28日に行われた裁判では、ドビルパン氏の知人3人が偽造文書作成の容疑で有罪となった一方で、ドビルパン氏については偽造リストを黙認した証拠がないとして無罪となりました。無罪となったことでドビルパン氏が2012年の次期大統領選挙に出れる可能性も出ましたが、フランス国内を揺るがした事件を起こした張本人だけに、国民世論は複雑でしょう。

 ドビルパン氏とサルコジ氏は2007年の大統領選挙において保守派の有力候補でしたが「政敵」として長く対立する関係で、この事件はサルコジ氏を追い落とす為にドビルパン氏が仕組んだとサルコジ氏側は主張してますが、互いの対立から生まれた事件ではないでしょうか? ドビルパン氏からすれば「私が次期大統領候補となるのだ! その為にはサルコジが目の上のたんこぶだ」と言う野心がこの事件を捏造するきっかけを起こしたのか、真相は分からない。

 かつてイラク戦争に真っ向から反対し、アメリカのラムズフェルド国務長官(当時)から「古いヨーロッパ」と批判されても「古いからあえて主張する」とアメリカに対して一歩も引かない姿勢で国民の共感を得たドビルパン氏、2006年に若者の就業率を上げるために起こした法案(26歳以下の若者を2年以内の雇用なら理由なく解雇できると言う対策)を強行採択したことで、国民の怒りを買い(特に移民系から)、大規模なストライキに発展するなど混乱を招いたことで自身の評価を下げてしまったことは否めません。また今回のかつてのスキャンダルの判決が国民にどう写るのか? ドビルパン氏はどう見てるのでしょう。

「イラク戦争に反対したときは立派だったけど、あの法案を強行したときにはドビルパンに減滅したよ!」「自分が大統領候補になりたいが為にサルコジを貶めようと事件をでっち上げたひどいヤツだよ」国民からのドビルパン氏に対する評価は今こういう辛らつなものではないでしょうか?

 こう見ると、フランス政界もゴタゴタの絶えない土壌なのか? と思いますね。

theme : 国際ニュース
genre : ニュース

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