簡単に出れるほど甘くないワールドカップ
出場国も1次リーグの組み合わせも決まり、いよいよ本番モードが近づくサッカーワールドカップ・南アフリカ大会。この大会に出場する32カ国(開催国南アフリカをのぞく)はいずれも各地区の予選を勝ち抜いただけに、いずれも精鋭と言っていいでしょう。
ただその一方で予選で涙を飲み、本大会に出場できなかった国も多くいるのも事実です。中でも強豪国・実力国でありながら予選で敗退した国もおり、なぜ彼らは南アフリカ大会に出れなかったのか? 組み合わせに恵まれなかった。主力のケガが相次いだことが響いた。度重なるゴタゴタでチームが迷走した。格下相手に取りこぼした試合が何試合かあった・・・。原因はそれぞれですが、勝負の世界は結果が全てですから、ああこう言っても何もないのが事実です。
まずヨーロッパ、これまでのワールドカップ予選において強豪国が予選で敗退する。という波乱がつきものなくらい激戦区ですが、今大会もその例に漏れず多くの国が涙を飲みました。
スウェーデンは、エースのズラタン・イブラヒモビッチをはじめマルクス・ロセンベリ、ヨハン・エルマンデル、キム・シュルストレームなどのタレントを揃える実力国でしたが、今大会予選ではデンマークやポルトガルと同組となり、そのデンマークに2敗したことが響いて無念の予選敗退となってしまいました。東ヨーロッパの強国クロアチアは、エースのエドゥアルドが序盤からケガで棒に振り、そのエドゥアルドが復帰したのと同時に今度は攻守の要であるモドリッチが故障で離脱、という主力のケガに祟られたことが予選敗退につながってしまいました・・・。
同じく東ヨーロッパの強国チェコも予選で敗退という憂き目となった。理由は度重なる監督交代、パベル・ネドヴェド、ヤン・コラー、トーマス・ガラセクといった一時期の主力だった時代からの脱却を計ろうと世代交代を図ったもののうまくいかず、また一部の主力選手が規律違反を犯し代表から追放(トーマス・ウイファルシなど)、と混乱ばかりが目立ったことが最大の理由でしょう。
2008年の欧州選手権でベスト4に輝くなど高い実力を誇るトルコも残念ながら予選で敗退した。エースのニハト、アタッカーのトゥンジャイ、司令塔のアルティントップなど魅力的な攻撃陣を誇り、予選グループではスペインに次ぐ対抗馬だったものの伏兵ボスニア・ヘルツェゴビナの前に散りました・・・。
同じく2008年の欧州選手権ベスト4のロシアも、予選ではドイツに次いで2位となり、プレーオフではスロベニアと当たり前評判では有利だったものの、スロベニアの執念の前にまさかの予選敗退となってしまいました(トータルスコアは2-2だったが、アウェーゴールの差でスロベニアに軍配)。本大会でダークホース的な存在になってもおかしくないだけに、まさかの敗退という憂き目を見てしまいました。
無念といいますか運に見放されたというのが当てはまるのがアイルランドではないでしょうか? 予選グループではイタリアに次いで2位で終わり、フランスとのプレーオフに全てをかけましたが、プレーオフ2戦目でのあのハンドが起点となったゴールによって本大会出場を逃しました。無論納得がいくわけがなくアイルランドの協会はFIFAに抗議し再試合を要求するも受け入れられず、また政治レベルでの問題にまで発展するなど波紋が多くなってしまいました。
他にもヨーロッパでは今大会予選で敗退した強豪国・実力国は多々いますが、全部を取り上げると収拾が付かなくなるので、後は割愛させていただきます。
続いて南米、今大会はアルゼンチンが最終節で何とか本大会出場を決めるという波乱はありましたが、概ね予想通りなところもあります。それでも涙を飲んだ国もあり、最後まで出場を争いながら敗退となったエクアドルがその代表でしょうか、序盤で躓くものの持ち直し、出場圏内を維持するなど好調をキープしていたものの終盤の2連戦(ウルグアイ・チリ)で連敗し無念の敗退となってしまいました。ホームでブラジル、アルゼンチンを下すなど好調だっただけに、最後の最後で力尽きたと言う感じがします。コロンビアはルイス・ベレアなどの強固な守備陣を誇った一方で、ウーゴ・ロタジェガ、ラファエル・ファルカオといったフォワード陣が軒並み期待外れに終わり、最終節を待たずして敗退となってしまいました。守備が良くても攻撃陣が貧打に泣いたのでは勝てるわけがありません。
前回波乱続出だったアフリカ、今大会敗退した実力国といえば2006年、2008年のアフリカ・ネーションズカップで優勝を果たしたエジプトがまず出るでしょう。アルジェリアと最後まで出場を争い、最終節の直接対決で勝利して勝ち点などで並び、最後のプレーオフに望みをつなぐもアルジェリアの前に敗退となってしまいました・・・。ただ直接対決の前に両国のサポーターが衝突し、政治レベルでもお互い大使を召還して抗議するなど傷をつけたことは否めません・・・。
最後に格下にまさかに敗北を喫し、出場を争うライバルに本大会出場をさらわれた不運に泣いたチュニジア、最後まで何があるか分からないということを認識する結果かもしれません。
他ですが、トーゴは絶対的エースアデバヨール頼みなところは相変わらずで、セイドゥ・ケイタ、フレデリック・カヌーテ、ママドゥ・ディアッラなどのタレントを誇るマリも、チームとして機能しなかったことが挙げられます。いくら実力者・タレントを多数擁しながらチームとして機能しなければ勝てないのがサッカーだと思いますね。
アジア、今予選は毎回1カ国は出場している中東勢が何と全滅という内容でした。その中で代表なのは長くアジアの雄として君臨したサウジアラビア、攻撃ユニットが魅力のタレント軍団イラン、2007年のアジアカップ王者イラク、そしてまたもプレーオフで涙を飲んだバーレーン。などでしょう。
北中米カリブ海は前大会出場国のコスタリカとトリニダード・トバゴでしょう。コスタリカはウルグアイとの出場をかけたプレーオフで残念ながら敗れ、トリニダード・トバゴは、今予選ではエースのケンウィン・ジョーンズのワンマンチームという印象は拭えず、最下位で今大会予選を終えました。かつてのドワイト・ヨークのような精神的支柱がいなかったことも理由でしょうか?
こうざっと、今大会予選で敗退した強豪国・実力国について触れましたが、いくら強豪国といっても簡単に出れないのがワールドカップです。今大会予選で敗退した国の中で前大会出場国は12カ国と言いますから、この4年の間に、各大陸では勢力図が移り変わっていると言う認識もあるでしょう。この前まで弱小国、中堅の域を出れなかった国がレベルアップしているくらいですからねェ・・・、ヨーロッパのボスニア・ヘルツェゴビナ、アジアのバーレーン、アフリカのガボン、そして今大会唯一初出場であるスロバキアといった国の躍進もそれを証明しているかもしれません。
世界のサッカーファンにとって最大のイベント、ワールドカップ、その大会に出れるのはわずか32カ国ですから、その道は厳しいものであるということでしょう。
ただその一方で予選で涙を飲み、本大会に出場できなかった国も多くいるのも事実です。中でも強豪国・実力国でありながら予選で敗退した国もおり、なぜ彼らは南アフリカ大会に出れなかったのか? 組み合わせに恵まれなかった。主力のケガが相次いだことが響いた。度重なるゴタゴタでチームが迷走した。格下相手に取りこぼした試合が何試合かあった・・・。原因はそれぞれですが、勝負の世界は結果が全てですから、ああこう言っても何もないのが事実です。
まずヨーロッパ、これまでのワールドカップ予選において強豪国が予選で敗退する。という波乱がつきものなくらい激戦区ですが、今大会もその例に漏れず多くの国が涙を飲みました。
スウェーデンは、エースのズラタン・イブラヒモビッチをはじめマルクス・ロセンベリ、ヨハン・エルマンデル、キム・シュルストレームなどのタレントを揃える実力国でしたが、今大会予選ではデンマークやポルトガルと同組となり、そのデンマークに2敗したことが響いて無念の予選敗退となってしまいました。東ヨーロッパの強国クロアチアは、エースのエドゥアルドが序盤からケガで棒に振り、そのエドゥアルドが復帰したのと同時に今度は攻守の要であるモドリッチが故障で離脱、という主力のケガに祟られたことが予選敗退につながってしまいました・・・。
同じく東ヨーロッパの強国チェコも予選で敗退という憂き目となった。理由は度重なる監督交代、パベル・ネドヴェド、ヤン・コラー、トーマス・ガラセクといった一時期の主力だった時代からの脱却を計ろうと世代交代を図ったもののうまくいかず、また一部の主力選手が規律違反を犯し代表から追放(トーマス・ウイファルシなど)、と混乱ばかりが目立ったことが最大の理由でしょう。
2008年の欧州選手権でベスト4に輝くなど高い実力を誇るトルコも残念ながら予選で敗退した。エースのニハト、アタッカーのトゥンジャイ、司令塔のアルティントップなど魅力的な攻撃陣を誇り、予選グループではスペインに次ぐ対抗馬だったものの伏兵ボスニア・ヘルツェゴビナの前に散りました・・・。
同じく2008年の欧州選手権ベスト4のロシアも、予選ではドイツに次いで2位となり、プレーオフではスロベニアと当たり前評判では有利だったものの、スロベニアの執念の前にまさかの予選敗退となってしまいました(トータルスコアは2-2だったが、アウェーゴールの差でスロベニアに軍配)。本大会でダークホース的な存在になってもおかしくないだけに、まさかの敗退という憂き目を見てしまいました。
無念といいますか運に見放されたというのが当てはまるのがアイルランドではないでしょうか? 予選グループではイタリアに次いで2位で終わり、フランスとのプレーオフに全てをかけましたが、プレーオフ2戦目でのあのハンドが起点となったゴールによって本大会出場を逃しました。無論納得がいくわけがなくアイルランドの協会はFIFAに抗議し再試合を要求するも受け入れられず、また政治レベルでの問題にまで発展するなど波紋が多くなってしまいました。
他にもヨーロッパでは今大会予選で敗退した強豪国・実力国は多々いますが、全部を取り上げると収拾が付かなくなるので、後は割愛させていただきます。
続いて南米、今大会はアルゼンチンが最終節で何とか本大会出場を決めるという波乱はありましたが、概ね予想通りなところもあります。それでも涙を飲んだ国もあり、最後まで出場を争いながら敗退となったエクアドルがその代表でしょうか、序盤で躓くものの持ち直し、出場圏内を維持するなど好調をキープしていたものの終盤の2連戦(ウルグアイ・チリ)で連敗し無念の敗退となってしまいました。ホームでブラジル、アルゼンチンを下すなど好調だっただけに、最後の最後で力尽きたと言う感じがします。コロンビアはルイス・ベレアなどの強固な守備陣を誇った一方で、ウーゴ・ロタジェガ、ラファエル・ファルカオといったフォワード陣が軒並み期待外れに終わり、最終節を待たずして敗退となってしまいました。守備が良くても攻撃陣が貧打に泣いたのでは勝てるわけがありません。
前回波乱続出だったアフリカ、今大会敗退した実力国といえば2006年、2008年のアフリカ・ネーションズカップで優勝を果たしたエジプトがまず出るでしょう。アルジェリアと最後まで出場を争い、最終節の直接対決で勝利して勝ち点などで並び、最後のプレーオフに望みをつなぐもアルジェリアの前に敗退となってしまいました・・・。ただ直接対決の前に両国のサポーターが衝突し、政治レベルでもお互い大使を召還して抗議するなど傷をつけたことは否めません・・・。
最後に格下にまさかに敗北を喫し、出場を争うライバルに本大会出場をさらわれた不運に泣いたチュニジア、最後まで何があるか分からないということを認識する結果かもしれません。
他ですが、トーゴは絶対的エースアデバヨール頼みなところは相変わらずで、セイドゥ・ケイタ、フレデリック・カヌーテ、ママドゥ・ディアッラなどのタレントを誇るマリも、チームとして機能しなかったことが挙げられます。いくら実力者・タレントを多数擁しながらチームとして機能しなければ勝てないのがサッカーだと思いますね。
アジア、今予選は毎回1カ国は出場している中東勢が何と全滅という内容でした。その中で代表なのは長くアジアの雄として君臨したサウジアラビア、攻撃ユニットが魅力のタレント軍団イラン、2007年のアジアカップ王者イラク、そしてまたもプレーオフで涙を飲んだバーレーン。などでしょう。
北中米カリブ海は前大会出場国のコスタリカとトリニダード・トバゴでしょう。コスタリカはウルグアイとの出場をかけたプレーオフで残念ながら敗れ、トリニダード・トバゴは、今予選ではエースのケンウィン・ジョーンズのワンマンチームという印象は拭えず、最下位で今大会予選を終えました。かつてのドワイト・ヨークのような精神的支柱がいなかったことも理由でしょうか?
こうざっと、今大会予選で敗退した強豪国・実力国について触れましたが、いくら強豪国といっても簡単に出れないのがワールドカップです。今大会予選で敗退した国の中で前大会出場国は12カ国と言いますから、この4年の間に、各大陸では勢力図が移り変わっていると言う認識もあるでしょう。この前まで弱小国、中堅の域を出れなかった国がレベルアップしているくらいですからねェ・・・、ヨーロッパのボスニア・ヘルツェゴビナ、アジアのバーレーン、アフリカのガボン、そして今大会唯一初出場であるスロバキアといった国の躍進もそれを証明しているかもしれません。
世界のサッカーファンにとって最大のイベント、ワールドカップ、その大会に出れるのはわずか32カ国ですから、その道は厳しいものであるということでしょう。