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エジル引退騒動から見えるもの

またしても、政治がスポーツに暗い影を落とすことが起きてしまった。
先月ドイツにおいてサッカーの代表引退を表明したメスト・エジル、引退する際に「人種差別は受け入れられない、もうドイツ代表のユニフォームを着たくない」とコメントしたけど、トルコ系移民出身だから自分は差別されているというものだが、ハッキリ言ってこれでは人種差別に屈したと言う印象しか与えないし、近年サッカーに限らずスポーツ界では人種差別を根絶しようとする動きが強まっているのに、それに冷や水をかけるようなものです。

なぜエジルは代表引退という事態に追いやられてしまったのか?
前述の通りトルコ系移民出身で、ドイツ社会において一部でトルコに対する嫌悪と偏見もあると言えばそれまでだが、近年ヨーロッパにおいて中東からの難民及び移民流入が頻発してるせいか、一時受け入れ先にしているトルコが受け入れを延長せずドイツを含めたEU諸国に押し付けていることでトルコに対する反発もそうだし、近年の移民問題も相まって移民に対する差別や偏見が出てその排斥を掲げる極右政党の台頭があってか、トルコにルーツを持つエジルへの反発が自ずと出てくるんだろうね。

今に始まったわけではないドイツにおけるトルコへの偏見、第2次大戦後すすんで労働力としてトルコ人を受け入れたドイツ(旧東ドイツは除く)、トルコ人たちはドイツに住み着いたわけだがドイツ社会に完全に溶け込もうとせず、自分たちのコミュニティを作ったこともそうだし、労働環境の変化に伴いトルコ人労働者を必要としなくなったもののドイツに住みたいというトルコ人の為にドイツ政府は滞在許可を認め、現在に至っているわけだが、ドイツで生まれたのにトルコ系という理由でドイツ人と就業格差があったり、本来の母国であるトルコに帰れば自分はドイツ人と示すせいか、トルコ系にすればドイツとトルコという2つの「祖国」の間に揺れてるわけだし、ドイツ人にすればドイツ社会に馴染もうとしないトルコ系に対してトルコに対する偏見が自然と出るわけだ。文化や宗教の違いで特に。

現在トルコとEUの関係は良好と言えない状況も影響している。
強権的なレジェップ・タイイップ・エルドアン政権に対する反発がEU(ヨーロッパ連合)、特にドイツやオランダなどで高まっており、関係見直しを叫ぶ意見も出ているわけだが、そんな中でそのエルドアン大統領に面会した上に記念撮影までしたエジルとイルカイ・ギュンドアン、当然ドイツ国内で波紋を呼んでサッカー界のみならず政府内からも問題視されたわけで、エジルはドイツが抱える移民と難民問題、そしてトルコとの問題を一気に被る形で批判の対象にされたわけだが、それで人種差別を受けたというのはどうなのか・・・?

昔から政治的なエゴでスポーツに暗い影をもたらしたケースは多々あれど、エジル引退騒動もまたそうなったとしか思えない。移民や難民問題、そして強権的な政治への反発がこうなったと思えばそれだけなのだが、民主主義と人権を掲げるEU(ドイツを含めて)とそれに逆行しているトルコの溝が深まっている現状がそうだと思います。エルドアン政権になってからEUとの関係がギクシャクしているトルコにも問題はあるが・・・。そのツケがエジルに回ってきたと思えば不憫でしかない。移民や難民問題、相手国の強権的な政権への反発、日本人には分からない問題です。

theme : 情報の後ろにある真実
genre : 政治・経済

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