「ニュースの“なぜ?”は世界史に学べ」

急激な海洋進出を図る中国、IS(イスラム国)の暗躍など現在も混沌の中にある中東、ウクライナ危機やギリシャ財政危機、難民流入問題など問題山積のヨーロッパ、現代世界はとにかく問題が絶えませんが、これについて日本人の意識と言うか興味関心は薄く、改めて世界を知ると言う意識の低さもそうだが幅広い見方を持っていないことを痛感します。これでは国際感覚など磨かれるわけがなく国際人としての資格も問われるものだと思います。その原因は学校教育やメディアにあると思うけど。

私はこの本に目を通した時、当ブログで国際ニュースも頻繁に取り上げているだけに改めて国際情勢を学習するにはうってつけのほんだと思いました。
日本では政局だオリンピックだで世論の関心が偏りがちだけど、世界に目を向ければリアルタイムで動く頻度が高いように、国内ばかりに目を向けては「井の中の蛙」となるだけだと私は思いますね。なぜ日本って海外の情報があまり取り上げられないのか? これにはメディアの責任もそうだが自前の情報網がもっぱら外務省に依存していることにもあります。そろそろ自前の情報機関を作るべきじゃないでしょうか。

「ニュースの“なぜ?”は世界史に学べ」 (茂木誠著・ソフトバンク新書)

引用

第1章・ヨーロッパの憂鬱 ウクライナ問題と難民問題
第2章・台頭するイスラム過激派と宗教戦争
第3章・アメリカのグローバリズムと中国の野望
第1章は当然世界史において度々主軸を担ったヨーロッパ、ヨーロッパの曙と言われる民族大移動とフランク王国及び東ローマ帝国からもそうだし、なぜユダヤ人は迫害されたのか?(キリストを処刑した裏切り者と言う意識もそうだし戒律の厳しさゆえに共存しなかったことにある) なぜイスラム教と対立するのか?(神を描くことの是非) プロテスタントとカトリック、東方正教会の違いと言う宗教的観点も分かったけど、宗教に疎い日本人はなかなか理解できないからねェ・・・? その構図がギリシャ問題やウクライナ問題につながってるってことか。あとは地政学的な理由もだが。

第2章は現在も混沌状態の中東、元々国として成り立っていたのはトルコとイランぐらいでサウジアラビアにせよイラクにせよ英仏による植民地政策のせいで勝手に国境を作られて出来た国、これはアフリカ諸国にも当てはまります。西欧列強のせいで勝手に線引かれちゃってこれが現在の問題になってるんだから。
イスラムを語る上で欠かせないスンニ派とシーア派の違い、「党派」を意味するシーア派は預言者ムハンマドの娘婿アリーがその後継者で、その直径子孫が12代に渡って続くわけだが、>血統を重視するのに対しスンニ派はコーランに基づく慣行や慣例を重視し、それに従う者であれば指導者に慣れると言うが、コーランを重んじるのと血筋を重んじるのとで異なるってことだ。
ISが古代遺跡を破壊するのもムハンマド誕生以前の歴史は「なかったこと」にする為のものだし、イスラム原理主義が誕生したのは18世紀にアラビア半島がオスマン帝国に支配されてそれに伴う世俗主義が台頭、それに反発したアラブ人がワッハーブ運動を起こしたことがきっかけだったと言いますし、ワッハーブの思想を重んじたのが後のサウド王家だったってことだが、だからサウジアラビアがガッチガチのイスラム国家なのも分かる。
ISの台頭もアラブの春も、石油利権もパレスチナ問題も結局欧米が蒔いた災いの種でしょうし、元々国家と言う概念がないアラブに国家意識を持たせるのは無理があったと言うことでしょう。アフリカですら国家があったって言うのに・・・。

第3章、アメリカが戦争を止められないのは戦争を必要悪と見なす軍産複合体の存在、ロシア帝国などで迫害されたユダヤ人がアメリカに渡って金融界で力をつけたことでユダヤの影響力が強まった、一方でユダヤ人を迫害しまくったロシアは後に東西冷戦につながるのだが・・・。

何回も読み返したくなるくらいためになるこの本は、一見する価値がありますので、改めて歴史を学ぶことで今起こっていることの原因と背景を知ることになるから、いわゆる「温故知新」的なものです。
欧米や中東、中国などは積極的に取り上げてたけど、インドやアフリカについては全く取り上げられてなかったことは疑問です。印パ問題は言うに及ばずアフリカでなぜ紛争と貧困が絶えないのか、なぜ独裁国家が多いのかも取り上げてほしかったです。

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genre : 本・雑誌

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