医師に扮していた重要ユーゴ戦犯

 スレブレニツァの虐殺、それは第2次大戦後のヨーロッパにおいて最も残虐かつ凄惨な大量虐殺として現代史にその名を残してますが、そのスレブレニツァの虐殺を指揮したとされる一人がラドバン・カラジッチ、その後逃亡したことでICTY(旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷)にて重要なリストに載ってましたが、当時のセルビア政府によって身柄をあっけなく拘束されたのでした。
 そんなわけで今から7年前の今日2008年7月21日は、セルビア政府がラドバン・カラジッチを逮捕した日です。

 ラドバン・カラジッチ、ボスニア・ヘルツェゴビナにおけるセルビア勢力のリーダーとしてユーゴスラビア連邦(以下ユーゴ連邦)内のセルビア人をまとめる役割を担っていたのだった。
 だが東欧革命が勃発し、ユーゴ連邦内で民族主義が台頭すると連邦維持を掲げるセルビアはこれに反発、スロベニアやクロアチアが相次いで分離独立し、その流れはボスニア・ヘルツェゴビナにも及び、これに危機感を感じたセルビア人はセルビア人のみで構成する議会を作り、ユーゴ連邦への残留を訴えたものの、ボスニア・ヘルツェゴビナは独立を宣言し、これを不服としたセルビア人議会は同国内のスルプスカ共和国独立を宣言、ただでさえ民族及び宗教が複雑に入り混じるボスニアのこと、紛争に発展したのです。

 紛争の最中カラジッチはスルプスカ共和国大統領に就任し、軍最高司令官になるとセルビア人の保護を名目にクロアチア人やイスラム教徒に容赦無い弾圧を加え、軍を使って殺害やレイプをしたり、1995年にはスレブレニツァで大勢のイスラム教徒を民族浄化の名の下に殺害し(これがスレブレニツァの虐殺)、セルビア人に楯突く者はこうだと言わんばかりに傍若無人の限りを尽くしたのです。

 これらの行為が白日の下にさらされると、カラジッチはICTYとICJ(国際司法裁判所)によってジェノサイドなど人道に対する罪で戦争犯罪者と見なされたのだった。
 その後カラジッチに行方は分からず、カラジッチを支持するセルビア人は無罪を主張したり、セルビアに政治圧力をかけるべきと言う国際世論も出たりと、ICTYのみならずカラジッチの逮捕は重要課題の一つとなったのです。
 カラジッチのみならずラトコ・ムラジッチなど大物ユーゴ戦犯の存在もそうさせていた。

 だが2008年7月21日、セルビアのボリス・タディッチ大統領が「カラジッチを逮捕した」と声明を出したことで、事態は急変直下したのです。
 その際何と!! 白髪にヒゲを生やしドラガン・ダビッチと言う偽名を使って医者としてセルビア国内で活動してたって言いますから、逮捕状が出てからずっと逃亡し整形と偽名を繰り返して潜伏していた福田和子容疑者と全く同じです。
 なぜセルビアはカラジッチの逮捕を発表したのか? おそらく欧米から逃亡中のユーゴ戦犯逮捕に積極的になれとの圧力から、カラジッチ逮捕に踏み切ったわけだが、セルビアは早期のEU加盟を目指す意味もありますね。EU側からセルビアの加盟条件にICTYに訴追されたユーゴ戦犯の全員逮捕を挙げてますからね・・・。

 ボスニア国内では逮捕を祝う集会が行われたものの、セルビア人など支持者らは抗議集会を開くなど賛否割れるものにもなった。
 その後カラジッチはICTYに身柄を拘束され、裁判にかけられたがスレブレニツァの虐殺を「でっち上げ」を非難するなど、一連の戦争犯罪行為を否認する態度を取り、対立してますが、自分のしたことを平然と否定する。下らん自己弁護も甚だしいが態度がどう見てもサダム・フセインと全く同じだ。

 ユーゴ紛争は今や歴史の1ページでしかないが、そこでの戦争犯罪に関わった人物の悪名だけは消えないでしょう。
 大セルビア主義なる民族主義を掲げ、それが引き起こしたユーゴ紛争、結果としてセルビア=悪者。と言うイメージを助長したが、偏向報道によるものだと言う指摘もあるがセルビアの歪んだナショナリズムによるものでもあります。
 つい最近、スレブレニツァの虐殺の犠牲者を追悼する式典が行われたが、献花に訪れたセルビアのアレクサンダル・ブチッチに対し群衆が石を投げつけると言う事態まで起こるなど、未だ虐殺の傷跡が癒えないことを物語ります・・・。この凄惨な虐殺を引き起こしたのは大セルビア主義なるナショナリズムとそれを掲げたスロボダン・ミロシェビッチやこのラドバン・カラジッチなどの存在がそうさせたと思うね。ボスニアに暗い影を落としたスレブレニツァの虐殺、それを指揮したとされる一人ラドバン・カラジッチは悪辣なる戦争犯罪者の一人として歴史に悪名を残すでしょう。つい最近ではリベリアのチャールズ・テーラーだが。

theme : 戦争
genre : 政治・経済

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