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フィンランド、中立政策から「脱却」?

 ロシアに対する懸念から、NATO(北大西洋条約機構)に加盟してロシアを牽制しようと目論んでいるのでは・・・!?

引用

フィンランド:親NATO派新首相を指名 中立政策に波紋

【ブリュッセル斎藤義彦】フィンランドのニーニスト大統領は24日、議会の承認に基づきアレクサンデル・ストゥッブ欧州・貿易相を新首相に指名した。カタイネン前首相が欧州連合(EU)欧州委員就任を希望して辞任したのに伴い、同じ国民連合に属するストゥッブ氏が首相を引き継いだ。ストゥッブ新首相は、ロシアのウクライナへの軍事介入を背景に、長年の中立政策を変更、北大西洋条約機構(NATO)加盟を主張しており波紋を広げている。

 議会は23日にストゥッブ氏を首相に信任していた。任期は総選挙のある来年4月まで。

 ストゥッブ首相はNATO加盟が持論で、クリミア危機以降、メディアに「安全保障を向上させる必要があり、NATO加盟が最善だ」と述べていた。フィンランドは今年5月に、同じくNATO非加盟のスウェーデンと防衛協力協定に調印。ロシアへの軍事的対抗策を取り始めている。

 ただ、世論調査ではNATO加盟支持は2割程度しかない。ロシアと1300キロの国境で接し、経済・人的交流も密接で、国民の多くはロシアとの対立には慎重とされる。

 フィンランドは第二次大戦でソ連に敗北、国土の一部を割譲した後、友好協力相互援助条約を結び、冷戦中に中立を維持した。

 冷戦崩壊後も軍事的中立は維持しながらも、1994年にNATOと「平和のためのパートナーシップ」協定を締結。コソボやアフガニスタンに派兵するなどNATOと実務的な協力を行っている。

 フィンランド加盟の可能性についてNATO高官は「加盟のドアは開いているが、当事国の決定次第だ」と述べた。NATO内には、フィンランド加盟がロシアを刺激しかねないとの憂慮もある。

 毎日新聞 2014年06月25日 11時03分
 戦後一貫して中立政策を取ってきたフィンランド、そのフィンランドで現職のユルキ・カタイネン首相がEUの委員になることに伴い辞任したことで、新しい首相を選任することになりましたが、その後任にサウリ・ニーニスト大統領アレクサンデル・ストゥッブ欧州・貿易相を選びましたが、そのストゥッブ氏は「NATOに加盟する」と掲げており、これまでの中立政策が揺らぐこととなりそうです。

 先月にはスウェーデンと防衛協力協定を結ぶなど、ロシアを意識した安保政策に走っているフィンランド、その追い風に乗ってか「今でしょ!」と言わんばかりにNATO加盟に急いでいるけど、NATO側がフィンランドの加盟に難色を示す姿勢も少なからずあり、またフィンランド国内の世論調査でも2割しか賛成がないことで、難しいです。
「今までの中立政策を捨てるのか?」「ロシアは脅威だけど、対立を煽っては・・・!」って意見が多いけど、戦後中立政策を保ってきたとで安定した国家運営を継続してきたフィンランド、簡単に捨て切れないのも無理はない。

 クリミア侵攻で周囲に軍事的脅威を与えるロシア、そのロシアに対抗する意味で軍事的な対抗策に積極的な姿勢を取るフィンランド、政府は積極的でも国民がそうでなければ・・・!!
 中立政策からの脱却、ストゥッブ氏を選んだニーニスト大統領だが、中立政策を継続するのかそれとも・・・!?

 コレッて、集団的自衛権行使容認を巡って与党内で対立している日本にも通ずる部分もあるが・・・。

theme : 国際政治
genre : 政治・経済

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フィンランドは親日国です

フィンランドは、実は第二次世界大戦で日本と同じ枢軸国側として戦った国です。フィンランドは歴史的にロシアから何回も侵略され、占領された経験をもちますから、いまでもロシアに対する警戒が強い国です。プーチンのロシアがクリミアを併合したことで、フィンランドのロシアに対する警戒がいっそう強まったのだと思います。それがNATO加盟を志向する首相が誕生した背景ではないでしょうか。NATO加盟に対する国民の支持が2割といいますが、それはまだロシアに対する危機感が国民に迫っていないからだろうと思います。フィンランド人の国防意識はものすごく高く、国民皆兵制度なのですよ。フィンランド人の国民性を表す言葉に「シス(Cis)」という言葉がありますが、粘り強さや頑固さという意味らしいですが、これが国防の精神と言われています。日本が日露戦争に勝利したときには国を挙げて歓喜しました。「トーゴービール」という銘柄のビールがいまでもあるそうです。

Re: フィンランドは親日国です

 働きアリンコ様

 コメントありがとうございます。

 歴史的な背景もあるだけに、ロシアに対する警戒が強いフィンランドのこと、今のロシアの動きを見て「このままではまたロシアに脅かされる」と懸念してかNATO加盟を掲げる人間が首相になったかも知れないです。中国の脅威に対して警戒を強めたフィリピンやベトナムにも通ずる部分もあるし、日本もまたしかり。

 日露戦争でロシアを下した日本、日露戦争はフィンランド人のアイデンティティを高揚させる結果になったと言えますし、フィンランドが日本に好印象を持つきっかけになったのも承知の事実です。
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