またグルジアと戦争する気か・・・?
去年のグルジア侵攻により欧米と対立したロシアですが、その関係修復に務めているもののグルジアに関しては強硬な姿勢を崩さず、また去年の紛争における舞台となった北カフカスで軍事演習を行うなど、何かまたグルジアを攻撃しそうな姿勢を見せているようです。引用
ロシア:大規模演習開始 グルジア隣接地域、緊張再燃も
【モスクワ大前仁】ロシア軍は29日、昨夏のグルジア紛争の舞台となった北カフカス地方で大規模な演習を開始した。ロシアは北大西洋条約機構(NATO)との関係改善を進める一方で、グルジアなどの和平監視団を撤収に追い込むなど、同国への強硬姿勢を鮮明にしており、約1カ月後に紛争発生から1年を控え、緊張再燃の恐れが浮上している。
「カフカス2009」と名付けた演習は来月6日まで予定しており、総員8500人を動員、戦車部隊や黒海艦隊の艦船が参加するほか、グルジアからの独立承認を求めるアブハジア、南オセチアの両地域に駐留するロシア軍も加わる。制服組トップのマカロフ参謀総長が視察し動員の際の機動性や共同作戦の精度を点検する狙い。
ロシア軍は昨年も8月初旬まで同地域で演習を実施した直後に、グルジア紛争が発生した経緯がある。今年は英米などNATO加盟国が今月初旬までグルジアで演習を行ったことに対抗し、「当初の計画を修正して」(コルマコフ国防第1次官)演習に臨む。
北カフカス情勢をめぐっては、欧州連合(EU)と全欧安保協力機構(OSCE)がグルジア、国連がアブハジアに和平監視団を派遣している。だがロシアは今月に入り、国連安保理理事国の拒否権などを利用し、OSCEと国連の監視団の駐留延長に反対して、撤収に追い込んだ。
グルジア紛争をめぐり欧米と対立したロシアだが、オバマ米政権との間で年内に失効する第1次戦略兵器削減条約(START1)の後継条約交渉を進めるなど、関係の修復を推進。今月27日にはNATOと軍事対話・協力の再開に同意したばかりだが、グルジア問題に関しては強硬姿勢を際立たせている。
グルジア外務省は一連の行動について「ロシアはグルジア政府、国際社会、地域の安定に大きな脅威をもたらしている」と批判。ロシアのマカロフ参謀総長も「グルジアの軍事力は1年前より強化されている」と譲らない。軍事アナリストのフェリゲンガウエル氏は露ラジオ局に対し、ロシア軍が軍事演習を利用して、新たな戦争を準備している可能性があると指摘する。
毎日新聞 2009年6月30日 東京朝刊
また北カフカス情勢に関しては、EUとOSCE(全欧安保協力機構)がグルジアに、国連がアブハジアに和平監視団を派遣するなど動向を見ていたが、これに異を唱えたロシアが安保理で拒否権を使いOSCEと国連の監視団駐留に反対して撤収に追い込むなど、私からすれば、ロシアのこの対応は「内政干渉だ!」と言わんばかりの態度かも知れませんね。私はまた拒否権を乱用することについて「そうやってミャンマーの軍事政権やジンバブエのムガベ政権の肩を持って人権弾圧を幇助してるんだろ!?」とも私は思います。
ロシアが北カフカスで軍事演習を行っていることについて「ロシアはグルジア政府、国際社会、地域の安定に大きな脅威をもたらしている」とグルジア外務省がロシアの一連の動向を非難すれば、ロシアは逆に「グルジアの軍事力は1年前より強化されている」と親欧米・反ロシアの姿勢を取るサアカシュビリ政権をけん制するなど水掛け論だし、再度緊張状態になりかねないですね。軍事演習を行うことでグルジアを挑発する狙いもありそうです。
北カフカスで軍事演習を行うロシア、この軍事演習は再度グルジアに対して戦争を起こしそうな気がしそうです。旧ソ連時代からの名残か、自分たちの意に反する者には軍事力で圧力をかけるという考えが未だにあるのだろう。NATOと関係修復に努めてはいるものの、グルジアに対してはまた戦争も辞さない態度を見せるロシア、もしまたグルジアと戦争を起こそうものなら、欧米は「ロシアは21世紀の枢軸国だ」と非難することは間違いないだろう。