fc2ブログ

さようなら「コミックボンボン」

 今や児童向け漫画雑誌界でトップを突っ走り続けるのは「コロコロコミック」(小学館)ですが、かつては競合誌がたくさんあり、それらとしのぎを削ってはいたものの、最終的に売り上げ不振で休刊した雑誌も多く、半ばコロコロには勝てないのかとすら感じます。
 かつて講談社から発行されていた「コミックボンボン」を知っているだろうか? 一時期はコロコロを上回るほどの売り上げを記録するほどまさにコロコロのライバルと呼ぶべきものでした。そんなボンボンも結局はコロコロの勢いの前に屈して最終的に休刊してしまいました・・・。そんなわけで今から5年前の今日2007年7月17日は、講談社がコミックボンボンの休刊を発表した日です。

 1981年10月、講談社は小学館のコロコロに対抗する形でボンボンを創刊し、他の児童向け雑誌よろしく、ホビー漫画やキャラクター漫画、ギャグ漫画などを中心に雑誌展開したのでした。ただ競合誌との差別化を図る為か、お色気系の漫画も連載するなど一線を画していたのも事実ですが。
 ボンボンはコロコロを強く意識し、折りしも創刊直後に発生したガンプラブームに乗っかり、主な読者層である小学生にもガンプラが流行ったことも相まって、ガンプラをメインとした記事や漫画を連載するなど、ボンボン=ガンダムとのタイアップを強く印象付けたのでした。ガンプラブームはまた他のロボットアニメにも影響を与え、ボンボンはそれらの作品のコミカライズを積極的に行うなど、ロボットアニメを軸とした路線を走り、藤子不二雄作品をメインとしたコロコロとは一線を画したのだった。

 ガンプラを含めロボットアニメをメインとした作品に止まらず、ファミコンブームの時期にはコロコロの「ファミコンロッキー」に対抗する形で「ファミ拳リュウ」「ファミコン風雲児」を、シールブームでは「レスラー軍団」(当時カネボウフーズから販売されていた「ラーメンばあ」についていた付録のシール)とのタイアップ、ギャグ漫画路線ではコロコロの「あほ拳ジャッキー」「おぼっちゃまくん」に対抗して「やっぱ! アホーガンよ」を連載するなど、コロコロと激しく争ったのでした。
 またスーパーマリオシリーズのコミック版も連載し、それぞれのストーリーに準じた内容となっているが、コロコロ版との違いを見せる為ギャグ要素は抑え目にしているが、当時の時事ネタが一部に織り交ざっている。

 ガンプラブームからガンダムとタイアップしたことで、ガンダムメインは変わらず、リアル版だけでなくSD(キャラクターを2頭身に表現した)ガンダムシリーズやそれらから派生したナイトガンダム、武者ガンダムシリーズを手掛けるなど、従来のファン層でない世代にもガンダムシリーズを認知させるきっかけを作ったのでした。

 SDガンダムブームから火がついて、売り上げは部数は激増し、さらに「ロックマンシリーズ」ともタイアップしてメイン記事やコミカライズを手掛けるなど人気を高め、一時期はコロコロを追い抜くほど黄金時代を築いたのです。ゲームとの関わりはロックマンだけでなくストリートファイターシリーズ、餓狼伝説シリーズともタイアップし、それらと、また関係したコミカライズも手掛けた。

 しかし90年代半ばに入ると「ポケットモンスター」「ベイブレード」「ムシキング」などのタイアップを図ったコロコロが売り上げ部数を伸ばし、読者層がコロコロに流出すると低迷期を招き、さらにロックマンシリーズまでコロコロに移籍すると言う「弱り目に祟り目」を受けただけでなく、コロコロに負けじとタイアップ路線を図るも軒並み失敗続きに終わり、コロコロとの差は広がったのだった。
 連載漫画の面でも影響が出て、人気作にも関わらず編集長の交代に伴い、路線変更による「打ち切り」の憂き目を見た作品も出るなど、読者はますます遠のく結果となったのです。更に長年タイアップしていたガンダムシリーズも、角川書店から刊行された「ガンダムエース」に主導権を奪われたことも決定打と言える。

 2006年に大幅リニューアルして巻き返しを図るも、一度失った人気は取り戻せず、発行部数は低下し、いつしか休刊の噂まで出たことで、講談社は「人気のなくなったボンボンはもはや必要ない」と判断を下し、5年前の今日2007年7月17日、今年限りで休刊することを発表したのでした。おそらく少年向けは「少年マガジン」で充分と言う判断があったんでしょうか? コロコロに結局最終的に勝てなかった「白旗」宣言なんでしょうか?

 一度は隆盛を極めた雑誌にしては、あまりにも寂し過ぎる最後となったが、売り上げ部数低迷で人気を獲得できなかった末路なのかと思います。ボンボンの休刊に伴い、ますますコロコロの独走状態が続くと言うのは何と言う皮肉か。勢いに屈したと言う説もあれば、タイアップ路線に依存し過ぎてコロコロとの差別化を図れず、結果として売り上げ部数を落とすものとなったと言う説もあり、どうなんでしょうかね? タイアップ路線を取りながらも独自性を発展させたコロコロとの違いがあったんでしょうかねェ・・・。

 そう言う私も小学生の頃ボンボンは少なからず読んでおり、コロコロとは違う路線だなと思いまして、まァ記憶に残る連載漫画もありましたね。唯一の不満は「なぜこれが単行本化されないんだ!!(もしくは途中で打ち切られたり一部の話が削除されている)」と思う作品が多かったこと。私が思うにこれがコロコロなどに差をつけられた感じがする「少年ジャンプ」ですら、不人気であっさり打ち切られた作品だって単行本化されてるって言うのにねェ・・・。
 私がボンボンの連載漫画で好きだったのは「ロックンゲームボーイ」「ロックマン」シリーズ(池原しげと)「餓狼伝説」シリーズ(細井雄二)でしたね。「ロックンゲームボーイ」復刻してくれないかなァ・・・。出来れば完全版で。あとは「ロックマン」シリーズも。他には赤塚不二夫作品も結構載っていたので、私はこれで「バカボン」などを知りました。

theme : 漫画
genre : アニメ・コミック

comment

管理者にだけメッセージを送る

ポケモンとケロロ軍曹に殺されたな。ポケモンで読者を奪われ、本来のボンボン読者がケロロ低年齢層取り込みでエースに流出して止めを刺された。
プロフィール

アジシオ次郎

Author:アジシオ次郎
FC2ブログへようこそ!

最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
最新コメント
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード