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イエメンの新大統領とは?

 33年も独裁体制をしいてきたアリ・アブドラ・サレハ大統領が退陣し、新たな大統領が誕生したようです。

引用

キーパーソン:アブドラボ・ハディ氏=イエメン大統領に就任

 ◇「敵が少ない」元軍人

 33年にわたり権力を握ってきたアブドラ・サレハ前大統領の後継者として27日、就任した。中東の民主化運動「アラブの春」の一環で、イエメンでも1年余り騒乱が続いた。疲弊している国の立て直しに取り組む。

 21日に投票が行われた大統領選で、与野党勢力が合意した唯一の候補だった。サレハ氏が11月に受け入れたサウジアラビアなどの仲介した権限移譲案に基づくもので、25日に当選が発表された。

 27日に首都サヌアの大統領宮殿入りしたが「困難で複雑なときに直面している」と問題が山積していることを認めた。25日には南東部ハドラマウト州にある別の大統領宮殿でテロが発生し、26人が死亡した。

 「サレハ(前大統領)でないことで各陣営が合意した」(地元専門家)とされる人選。地元記者は「敵の少ない人物」とみる。1945年生まれの元軍人。サレハ氏から94年に副大統領に任命され、ずっとサレハ氏の腹心とみられてきた。このため民主活動家からは「ミニ・サレハだ」と皮肉る声も。2年間の任期を終えれば、サレハ氏の息子アフマド氏が大統領になり、結局は「王朝化」するとの観測があり、サレハ氏が与党トップとして「院政」を敷く可能性も指摘される。

 取り組むべき諸課題も難問ばかりだ。サレハ一族が支配する軍・治安部門の再編。「3割落ち込んだ」(政府幹部)といわれる経済の再建。国際テロ組織アルカイダの分派組織の活動や、南部の分離独立派の動きへの対応も迫られる。「アラブ最貧国」のかじ取り役として双肩に重責がのしかかる。【カイロ和田浩明】

 毎日新聞 2012年2月29日 東京朝刊
 27日にサレハ前大統領から権限を移譲され、暫定ながらイエメンの新大統領に就任したアブドラボ・ハディ氏、21日の大統領選挙で与野党の合意を得たただ一人の候補だったから、昨年11月にサウジアラビアなどの仲介で作成された権限移譲案に則ってのものと言えますが、ただ一人と言うのは胡散臭さすら見えます。
 サレハではないから各陣営が納得して合意したと言う指摘や、サレハ前大統領の右腕だったことで「小サレハだ」と見る民主活動家もいる為、縁故起用ではないかと指摘する声もありますが、どうなんでしょうか。

 就任式にて「困難で複雑なときに直面している」と述べたハディ新大統領、サレハ一族が牛耳る軍などの再編やただでさえ中東において最貧国と言われるにも関わらず落ち込んだ経済、アルカイダ分派組織の暗躍など、課題が山積みのイエメンですが、国民が懸念するはサレハ前大統領の息子・アフマド氏を大統領に起用する為の「つなぎ」と見る声もあります。

 1年にも渡って行われたイエメンの民主化運動、その中で流血の事態に発展するなど血生臭いものもあったが、最終的に長期政権を倒して権限を移譲したことで、とりあえずは民主化勢力の勝利で終わったと言えます。
 ハディ新大統領の任期は2年、その間に新憲法などを作って新しいイエメンを築くことが求められます。

 これで「アラブの春」において倒された国家元首は4人となりましたが、次は多分未だ市民弾圧ならびに虐殺を辞めないシリアのバッシャール・アサドの番になりそうです。イエメンのサレハの倒されたことで、未だ政権に居座って強気の姿勢のアサドに対する国際社会の風当たりはますます厳しくなるでしょうね。

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