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対イラン宥和政策は中東に何をもたらすのか?

 今週の「週刊プレイボーイ」に「河合洋一郎の世界の?は線で読み解け!」とプレイボーイで連載されているコラムですが、今週のテーマが私的に大変興味深いのでそれを取り上げたいと思います。

 それは「オバマの対イラン政策が生む周辺諸国の強硬な“反動”」と言うもので、オバマ政権の対イラン政策が中東諸国にどう影響するかと言うものです。

 この政策の影響は即座に中東に出始め、今月初旬にはアラブ諸国で穏健派の部類に入るモロッコがイランと断交を宣言し、アラブ諸国がイランと国交断絶すると言う初めてのケースとなったようです。
 表向きにはイラン側の外交官がモロッコの特質を変えようとしたことと、またイランの元内務相がバーレーンに対し「バーレーンはイランの14番目の州」と発言したことへの抗議としているが、このモロッコの動向に湾岸諸国がどう見るのか興味であろう、このイランの元内務相の発言にはバーレーンはイランのものだと言う思惑が出たのではないだろうか? またこの発言は1990年にクウェートをイラクのものだと言ってクウェートに侵攻して国際社会からの反発を受けたイラクのフセイン政権(当時)と同じような問題言動かと思うのだが。

 言うまでもなく、イランは北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)同様、核開発で国際社会からの厳しい反発を受けており地理的に近いサウジアラビアや他の湾岸諸国、さらにイスラエルが最も影響を受けることは必至で、仮にイランが核保有国になれば地域のパワーバランスに大きく関わることから、オバマの対イラン宥和政策は核開発の猶予をイランに対し与えたようなものであり、利害は湾岸諸国とイスラエル双方に降りかかってしまうのだ

 今月始めに行われたガザ復興支援会議では、サウジ他湾岸諸国の外相たちがクリントン国務長官に対し懸念をぶつけ、その後行われたアラブ外相会議においてサウジの外相がイラン核開発に対し「一致団結しイランの核保有を阻止しよう」と連携を促し、また「イラクやパレスチナ情勢に一切関わるな」とイランを批判する声明を出し、これはサウジ他湾岸諸国による事実上の“イラン叩き”ではないだろうか? 1979年にイラン革命が起こった際、周辺諸国におけるシーア派の影響力拡大を防ごうとし戦争に踏み切ったイラクとは違うが・・・。またイランと断交したモロッコは政治・経済においてユダヤ人の影響が強く、またシーア派国民がほとんどいない上、地理的にもイランから離れていて影響も受けない。湾岸諸国とイスラエルの恩恵を受け、オバマ政権へのメッセージとしてイランとの国交断絶に踏み切った可能性は高い。ただモロッコだが、国内のユダヤ影響力の高さから政治的にイスラエルと太いパイプを持っていることで、アラブ過激派から「モロッコはシオニストの肩を持つ裏切り者だ」などと思われないかが不安ではあるが・・・。

 イランに対して対話路線を取り宥和政策に踏み切ったオバマ政権、しかし一方でイランと地理的に近い湾岸諸国にとっては核開発の猶予を与えているとも取れるし、アメリカの対中東政策において外交的な駆け引きが激化する一方ではないだろうか? 前任(ブッシュ)とは違いイランに対して対話路線に出たアメリカ、一方で湾岸諸国による対イラン包囲網が始まったようなものである。この理由として湾岸諸国にとってイランは脅威でしかないのだろうか? またアメリカ政府内でも「イランに大義名分を与えたに過ぎない」「これでは北朝鮮と同じだ」と批判論が出そうなことも予感しそうです。

 この対イラン宥和政策は中東に何をもたらすのであろうか? リスクが思い切りありそうな感じはしますね。ただでさえ中東は何があるかわからない地域ですからね・・・。

theme : オバマ大統領・政権
genre : 政治・経済

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