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オリンピック史に名を残した「誤審」

 オリンピックの事件簿を語る上で、まず出てくるのが1988年のソウルオリンピックにおけるベン・ジョンソンのドーピング、1980年のモスクワオリンピックボイコット2004年のアテネオリンピックにおける男子マラソンに男が乱入。ですが、これも多分欠かせないでしょう。そう、2000年のシドニーオリンピック男子柔道100キロ超級・決勝における誤審問題でしょう。おそらく私はスポーツの歴史において10大「疑惑の判定」に挙げてますから、そんなわけで今から10年前の今日2000年9月22日はシドニーオリンピック・男子柔道100キロ超級決勝戦が行われた日です。

 今から10年前、オーストラリアのシドニーで開催されたオリンピック、その中の柔道競技で日本は4つ金メダルを獲得し「お家芸」復活をアピールするものとも言えました。その中で印象に残っているのが、今から10年前の今日2000年9月22日に行われた男子柔道100キロ超級決勝、篠原信一対ダビド・ドゥイエ(フランス)です。
 金メダルを期待されていた篠原、ドゥイエと対戦しドゥイエが内股を仕掛けたのに対し篠原は内股すかしで返し、その際返されたドゥイエが背中をついた。誰もが明らかに篠原の一本勝ちを疑わなかった。

 が! 主審と副審の一人は一本を取らず、逆にドゥイエに「有効」の判定を下したのだ。勝利を確信しガッツポーズした篠原は唖然とした。逆に別の副審は篠原の「一本」を下していた。何とも不可解な判定である。この際中継していたNHKは「今のは間違いなく篠原の一本。誤審だ」と声を荒立てた。
 日本の山下泰裕選手団監督はこの判定に対し猛然と抗議、しかし審判団は相手にせず結局判定は覆らなかった。
 これが響いて篠原は気落ちし、ドゥイエの優勢勝ちとなりドゥイエが金メダルを獲得したのだった。試合後改めて納得の行かない山下監督以下日本選手団は抗議するも、やはり結果は変わらなかった・・・。当時それを見ていた私は「オリンピックという世界的なスポーツの祭典であってはならないことだ!!」と憤りを隠せませんでした。オリンピックでこんな不可解な判定がまかり通るなんて、スポーツマンシップに反することです。

 ただ篠原は試合後「自分が弱かったから負けた」と潔く敗北を認め、深く言及しませんでした。
 翌日日本のメディアは一斉にこの判定に触れ「世紀の誤審!」「篠原こそ金だ!」と篠原擁護、審判、判定を大きく批判する記事を出したのでした。これを受けオリンピック終了後に国際柔道連盟はビデオ写真判定の導入を検討したことくらい、この判定は尾を引くこととなりました。日本と海外、特に欧米で柔道の判定に対する認識が大きくかけ離れていることを露呈するものでもあるが。

 さらにこの誤審の波紋は広がり、この試合で主審を務めたニュージーランド人クレイグ・モナガン氏に対し、嫌がらせや脅迫まがいの電子メールが殺到、さらにニュージーランドの柔道連盟にまでその矛先が向けられるという顛末にまで発展しました。
 またフランスではこの問題を多く取り上げず、むしろドゥイエは正しい判定で勝ったと勝利を主張、逆に山下が自身の持つ連覇記録を抜かれたくないからこの問題をでっち上げたとする声もあり、誤審だと認めない意見が多く出てました。
 私は先週日本テレビの「DON!」をたまたま見ていたとき「きょうは何の日」でシドニーオリンピックがましたが、この問題が出たことについて「今だからこそ言う! フランスに人のことが言えるのか!?」「絵に書いたような『勝てば官軍』体質だ!」と思いました。なぜなら南アフリカワールドカップ・ヨーロッパ予選プレーオフのアイルランド戦で起こったティエリ・アンリのハンド事件はどうなんだ!? です。明らかに反則だしハンドの判定を取らないのは誤審ではないだろうか!? 篠原の誤審をああ言うならアンリのハンドはどうなのよ!? 今考えたらフランス人にこう問いとめたい。

 あれから10年、篠原は男子柔道の監督として後進の指導に当たってますが、ロンドン・オリンピックで後進にその雪辱晴らしを託す意味合いもあると思います。ドゥイエはその後2009年にフランスの国民議会選挙に立候補し、当選し政界進出を果たして現在に至ってます。

 様々な波紋を呼んだこの誤審問題、オリンピックという舞台でこのような不可解な判定、誤審があってはいけないことだし、スポーツマンシップに反するものだと私は思います。

theme : 柔道
genre : スポーツ

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