ファタハとハマスがホントに「大連立」で中東和平に悪影響が・・・!?
今まで対立していた両者がここで同盟関係となったが、懸念を与えるリスクが出てきました・・・。
昨年7月にアメリカの仲介で久々に行われた中東和平交渉、その再開が危ぶまれるとアメリカ及びイスラエルが懸念の声明を直ちに出しましたが、この両国はハマスをテロ組織と指定しているだけに「ハマスと手を組むことは最悪の事態をもたらす」と警告しているのも無理はないが。
アメリカにしてみれば「せっかく中東和平交渉の場を設けたのに、パレスチナ自治政府は我々がテロ組織に指定しているハマスと手を組むなんて、パレスチナ自治政府こそ中東和平ムードに冷水をかけようとしている」って思うが、これをパレスチナが聞いたらば「何言ってんだ? アメリカは常にイスラエルの肩ばかり持つから、アメリカこそ中東和平ムードを壊そうとしている」って反論するかも。
マフムード・アッバス議長にしてみれば、和平交渉が暗礁に乗り上げる中でガザ地区との共存をアピールすることでパレスチナ人や周辺アラブ諸国からの支持を高めたい狙いでハマスと大連立に踏み切ったが、アメリカやイスラエルから懸念される状況を作ってしまったことに、アッバス議長の今回の対応は今後のパレスチナ情勢にどんな影響をもたらすのだろうか・・・!?
長年考えの違いから対立してきたファタハとハマス、これが結果としてパレスチナ自治政府が一枚岩でない要因となりましたが、23日になってそのファタハとハマスが「大連立」を組むことで新たな暫定政府を発足させる方針ですが、これが中東にまた懸念の火種をもたらしそうです・・・。引用
パレスチナ:暫定統一政府で合意…ファタハとハマス
【エルサレム大治朋子、ワシントン和田浩明】パレスチナ自治政府の主流派組織ファタハとパレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスは23日、統一の暫定政府を樹立することで合意したと発表した。ただ、米国やイスラエルはハマスをテロ組織と認定しており、昨年7月に約3年ぶりに米国の仲介で再開した中東和平交渉を一層困難にする可能性がある。
ガザで行われた共同記者会見によると、ファタハとハマスは5週間以内に暫定政府を発足させ、6カ月後にもトップの議長や議員を選ぶ選挙を実施することで一致した。実現すれば、ハマスが2007年にガザを制圧して以降続く、ヨルダン川西岸パレスチナ自治区とガザ地区の分裂状態が解消される歴史的進展となる。ただ、両者は11年以降、エジプトの仲介などを受け統一政府樹立で合意しながら、権力闘争や対イスラエル戦略の違いで繰り返し決裂している。
米国務省のサキ報道官は23日の会見で合意発表について「失望した」と述べ、「事態を複雑化させる」と強い懸念を示した。ハマスがイスラエル国家の存在を認めない姿勢を貫いていることから、「(統一)政府と(イスラエルは)交渉できないだろう」と語った。ケリー長官はネタニヤフ・イスラエル首相と電話で対応を協議した。また、米国政府は自治政府側に合意に伴う懸念を伝えたという。
イスラエルのネタニヤフ首相は23日、「イスラエルとの和平に向かう代わりに、彼(アッバス議長)はハマスとの和平を選んだ」と述べ、ハマスとの統一政府を目指すのであればイスラエルとの和平はありえないとの見解を明確にした。23日夜に予定されていたイスラエルとパレスチナ両交渉団による和平協議は中止された。
ファタハを率いるアッバス議長は中東和平交渉が行き詰まるなか、ガザとの共存を掲げることでパレスチナ市民の支持を強めたい思惑があるとされる。一方、人と物の出入りを制限するイスラエルの封鎖政策を受けるガザ地区のハマスは、同じムスリム同胞団出身のエジプト・モルシ政権が昨年夏に崩壊して以降、エジプトからの支援が途絶し困窮。パレスチナ自治政府の仲介によるエジプト政府との関係改善に期待を寄せている。
毎日新聞 2014年04月24日 10時53分
昨年7月にアメリカの仲介で久々に行われた中東和平交渉、その再開が危ぶまれるとアメリカ及びイスラエルが懸念の声明を直ちに出しましたが、この両国はハマスをテロ組織と指定しているだけに「ハマスと手を組むことは最悪の事態をもたらす」と警告しているのも無理はないが。
アメリカにしてみれば「せっかく中東和平交渉の場を設けたのに、パレスチナ自治政府は我々がテロ組織に指定しているハマスと手を組むなんて、パレスチナ自治政府こそ中東和平ムードに冷水をかけようとしている」って思うが、これをパレスチナが聞いたらば「何言ってんだ? アメリカは常にイスラエルの肩ばかり持つから、アメリカこそ中東和平ムードを壊そうとしている」って反論するかも。
マフムード・アッバス議長にしてみれば、和平交渉が暗礁に乗り上げる中でガザ地区との共存をアピールすることでパレスチナ人や周辺アラブ諸国からの支持を高めたい狙いでハマスと大連立に踏み切ったが、アメリカやイスラエルから懸念される状況を作ってしまったことに、アッバス議長の今回の対応は今後のパレスチナ情勢にどんな影響をもたらすのだろうか・・・!?