タイの情勢は相変わらずです
去年は全土でタクシン・シナワット元首相支持派「反独裁民主戦線」(UDD)とアピシット・ウェチャチワ首相支持派の対立が激化し、大規模な混乱ばかりがクローズアップされたタイ、あれから1年経つにも関わらず、タイの情勢は相変わらずと言っていいかもしれないです・・・。引用
タイ:ビジネス街を赤シャツ占拠 反感も--バンコク
【バンコク西尾英之】タイのタクシン元首相派「反独裁民主戦線」(UDD)約2000人が19日、バンコク中心部シーロム通りにあるタイ最大の商業銀行「バンコク銀行」本店前で集会を開いた。シーロム通りは、農村部が拠点のタクシン派への反感が強いビジネス街。「反タクシン派の牙城」(地元記者)での集会を、ビジネスマンたちはうんざりした表情で見守った。
最高裁で26日、元首相の巨額資産没収を巡る裁判の判決が出るのを前に、タクシン派は各地で抗議集会を続けている。バンコク銀行が標的になったのは、その経営者が、タクシン派が「06年のクーデターの黒幕」と非難するプレム枢密院議長と近いからだ。
赤シャツ姿のタクシン派は30階建ての銀行本店前に集結。ビル正面に座り込み「資本家が我が国の民主主義を破壊している」などと気勢を上げた。銀行は業務時間を臨時に短縮。近くの外資系企業で働く男性(39)は「自身の行動が経済をどれほど混乱させているか理解していない」と話した。
毎日新聞 2010年2月22日 東京朝刊
今回UDDは集会を起こしましたが、その標的としたのはタイ最大の銀行「バンコク銀行」本店の前で、場所柄反タクシン派が多いビジネス街ですから、集会には格好の場となったのでしょう。
タクシン元首相の巨額資産没収を巡る裁判に抗議の意味で集会を頻繁に行っているUDD「タクシン無罪! 資本家を優遇視して我々を軽視するアピシットこそ有罪だ!」と気勢を上げ、2006年にクーデターが起こってタクシン首相(当時)が失脚したのはプレム枢密院議長がクーデターを扇動したとして、今回の集会でバンコク銀行を狙ったのも、バンコク銀行の経営者がプレム枢密院議長と親しい関係ということで、それが背景なのかもしれません。
ビジネス街での集会に、ビジネスマンたちは呆れた表情で集会を見守ったようです。確かに「いい加減にしろ! UDD!」「情勢を悪化させているのはタクシンとUDDだ! タクシンとUDDこそタイをダメにする元凶だ!」と怒り心頭と言うより、うんざりしているかもしれませんね。去年からの情勢悪化は未だに収まっていないし、国民感情もまた真っ二つのままで平行線、果たして誰がタイ情勢を混乱させたのでしょうか? タクシン元首相かそれとも・・・? うやむやなまま今に至っています。
今回UDDがビジネス街で起こした集会ですが、アピシット首相を余計硬化させまた混乱に拍車をかけるだけだと思いますが、考えすぎですかね、コレ。