「イラク参戦は正しかった」って、何言ってんだか・・・?
2003年のイラク戦争において、アメリカ同様参戦したイギリス、当時参戦を決定した当時のトニー・ブレア首相が29日に行われたイギリスのイラク戦争参戦に関する問題を取り上げた独立委員会の公聴会に証人喚問されたブレア前首相、その際「イラク参戦は正しかった」と証言し「(政策決定の)責任は感じるが、サダム・フセイン(元イラク大統領)を排除したことは後悔していない」とイラク戦争への参戦の正当性を主張したようです。引用
イラク参戦「後悔せず」=ブレア氏に傍聴席から罵声も-英公聴会
【ロンドン時事】29日行われた英国のイラク参戦問題に関する独立委員会の公聴会で、証人喚問されたブレア前首相は、「(政策決定の)責任は感じるが、サダム・フセイン(元イラク大統領)を排除したことは後悔していない」と語った。
ブレア氏は喚問の最後、チルコット委員長から参戦を後悔していないか心境を聞かれた。同氏は少し間を置いてから、「後悔はしていない」と断言。「フセイン元大統領は『モンスター』であり、周辺地域だけでなく世界全体を脅かしていた」とした上で、フセイン政権を追放した結果「世界がより安全になった」と論じた。
(2010/01/30-06:28)「時事ドットコム」より
しかし、この期に及んで何を言ってるんでしょうね? ブレア前首相は、イラク戦争はアメリカがサダム・フセイン政権を倒したいが為に起こした戦争であって、またアメリカはフセイン政権が大量破壊兵器を作っていると主張したけど、結局イラクに大量破壊兵器はなかったことで国際社会から「戦争の意味があったのか?」と疑問視されてるんですけどね。結局イギリスはアメリカの口車に乗せられて参戦に踏み切ったに過ぎません。
「フセインを倒したことに後悔はしていない」「参戦は正しかった」と証言したブレア前首相、確かにフセインを倒したまでは良かった。しかしその後のイラク情勢悪化を招いた要因に関して後悔の念はないのでしょうか? 自国の兵士が大勢死んだことに責任を感じてないのだろうか? フセイン政権を倒したことについて「世界がより安全になった」と証言したブレア前首相、これを聞いた国民はほとんどが「ウソつけ!」「その後イラクを混乱させといて偉そうなことを言うな!」「その後も世界でテロや暴力の連鎖はなくならないじゃないか!?」と思うでしょうね・・・。結局イギリスはアメリカ同様イラクをどうしたかったのか、フセインを倒してその後イラクをどうするかも決めずにただ戦争に踏み切った代償の大きさを理解していないと思いますね。
一般市民のほかイラク戦争で死んだ兵士の遺族を大勢傍聴した公聴会、今回のブレア前首相の証言をどう見てたのでしょうか? 遺族からすれば「あの戦争のせいで息子の命が奪われた!」と憤りを持っているかもしれませんね。ブレア前首相に罵声を浴びせたいのも無理はないです。
世論の反対を無視して参戦し、その後戦争の大義を疑問視する世論の高まりで威信を大きく落としたブレア前首相、それでもイラク参戦は正しかったと主張しましたが、正直これでいいのだろうか? とすら感じます。フセインを倒したいが為に大量破壊兵器疑惑を捏造して戦争を起こしたブッシュ政権の口車に乗せられたとしか言えませんね。結局は自分で自分の首を絞める結果でしかありません。今でもイギリス国民の大半は「イラク戦争は正しいと思わなかった」と感じてるんだからねェ・・・、ブレア前首相はそこを理解していないとしか言えませんね。ブッシュの口車に乗せられて参戦した代償は大きかった。と思ってないのだろうか。