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あれから20年、イラクは変わらないか

ロシアによるウクライナ侵攻より前の「大儀なき戦争」の代名詞だったあの戦争勃発から20年を迎えましたが、その当事国は今・・・?

引用

まん延する汚職文化 経済振興阻害、深まる政治不信 イラク

【カイロ時事】イラクでは2003年の戦争後、米国主導でもたらされた民主主義体制の下、汚職文化が根付いた。

 スダニ首相は昨年10月の就任に先立つ演説で「生活のあらゆる面に影響する汚職のまん延は、新型コロナウイルスより致命的だ」と強調。しかし、国民の政治不信は深く、汚職撲滅への期待は低い。

 イラクは国家収入の約9割を石油産業に依存する。民間企業が育たず、公務員を過剰に雇用することで国民生活を支えてきた。若者の人口が増加し、雇用の受け皿を確保する経済振興が喫緊の課題だが、政界にはびこる腐敗が阻害要因となっている。

 スダニ氏は就任早々、21年から約1年間で総額25億ドル(約3300億円)が当局から企業に流れた事件の究明に着手。「利害関係者が国を乗っ取っている」と糾弾し辞任した元財務相にも、公金横領容疑で逮捕状が出され、闇の深さがあらわになった。

 歴代政権も汚職撲滅を掲げたが、政争に利用されることもあり、実現には程遠い。03年のフセイン政権崩壊後、4000億ドル(約53兆円)以上が国庫から消えたとされる汚職構造の改革にスダニ氏が本気で取り組むか、疑問視する声もある。

 戦後のイラクは独裁政権の教訓から、権力分散を徹底するため、民族や宗派で政治権力を分け合う方式を採用。これが石油や国際支援、省庁に関連する利権を分配する腐敗の土壌となった。

 北部アルビルの薬剤師ムハンマド・ナジーブさん(28)は「汚職がなければ、イラクは素晴らしい国になれるのに」と嘆く。九州大大学院の山尾大准教授(イラク政治)は「民主化などさまざまなことを一気に進めた結果、仕組みができる前に利権の争奪戦が始まった」と指摘。「独裁体制崩壊後、明るい未来を期待した国民の政治に対する憤りは大きい」と話している。

 最終更新:3/20(月) 7:47 「時事ドットコム」より
アメリカによるイラク戦争勃発から20年が経ったイラク、長年イラクを支配してきたサダム・フセインが倒されてからはテロと暴力、汚職が蔓延する絵に描いた❝無秩序❞状態になっているけど、「生活のあらゆる面に影響する汚職のまん延は、新型コロナウイルスより致命的だ」と昨年10月に首相に就任したムハンマド・スダニ首相は述べたけど、長年の混乱がもたらした国民の政治不信は収まっておらず、イラクを長年蝕む汚職の常態化を撲滅出来るのかと信用されていないみたいです。

大概のイラク国民からすれば、イラク政府はフセイン政権を反面教師としたのか民族と宗派で政治権力を分ける方式を取ったものの、イラク国内で大半を占めるシーア派、少数派のスンニ派、クルド人で対立することは目に見えており、当然自分たちの利益しか考えていないことから汚職が蔓延する事態となったのは言うまでもないが、また公務員を優遇したせいで民間企業が育っていないことも経済発展が遅れている上に汚職が無くならない要因となっています。
公務員を優遇したせいで経済が停滞、ギリシャもヒドかったがイラクはそれに輪をかけてヒドいってことかも知れない。

独裁者フセインが倒されて良くなると思いきや、かえって悪化してしまったイラク、フセインによる恐怖政治と汚職ばかりの今の政府とどっちが嫌かと思えば、ほとんどのイラク国民は後者を選ぶでしょうね。結局アメリカはイラクに何をもたらしたのか?

theme : 国際政治
genre : 政治・経済

独裁者と化しそうなネタニヤフ

司法を平気で捻じ曲げたり、憲法を勝手に改悪したりして権力を強めようとするそのやり方、独裁者の常套句だが・・・。

引用

イスラエル、極右政権の「司法改革」に大規模デモ 独裁国家と批判

 イスラエルで昨年12月末に発足した右派のネタニヤフ政権が打ち出した「司法改革」を巡り、市民による大規模な抗議活動が起きている。政権側は「国民に選ばれていない司法が力を持ちすぎている」として、最高裁による法律審査の権限を制限する案を発表した。野党や司法界は「政権が絶対的な力を持ち、独裁国家になる」と批判している。

 「民主主義を守れ」「(政権は)恥を知れ」。イスラエル各地で今月14日、司法改革に抗議するデモが実施された。中部テルアビブには約8万人の市民が集結。イスラエル国旗を手に持って参加した会社員のダナ・コーヘンさん(54)は「政権は『ユダヤ人優位』の国家を目指し、アラブ人ら少数派を排除しようとしている。そのため、少数派の権利を守り、民主主義の基盤となってきた司法を弱めようとしているのだ」と主張した。

 ネタニヤフ政権は複数の極右政治家が入閣し、史上最も「右」とされる。レビン法相は政権発足から6日後の今月4日、司法改革の素案を発表した。イスラエルには憲法に相当し、少数派の権利などを規定した「基本法」があり、法律が基本法に合致するかチェックする権限が裁判所に認められている。日本の違憲立法審査権と同様の仕組みだ。

 素案では▽最高裁が法律を無効とする条件を厳しくする▽国会で過半数が賛成すれば、最高裁による法律無効の判決を覆すことができる▽裁判官を指名する委員会のメンバーのうち、過半数を政権が選出する▽各省庁の法律顧問を政権が指名する――などだ。「改革」が実行されれば司法の介入は事実上排除される。

 政権側は、これまで司法が過剰な力を持ち、国民に選ばれた政権の政策を妨害してきたとして「権力のバランスを戻す」と主張。野党側は、民主主義の土台となっている三権分立が損なわれると訴える。

 改革が導入されると、何が起きるのか。極右政治家は多くのパレスチナ人が住むヨルダン川西岸で、国際法違反とされるユダヤ人入植地を拡大し、西岸を事実上「併合」しようともくろむ。これまで最高裁は、国内法と国際法の双方を考慮し、入植地の拡大やパレスチナ人住宅の強制撤去などを一定程度抑制する役割を担ってきた。司法の機能が弱められれば、入植地は制限なく拡大する恐れがある。また、極右は性的少数者(LGBTQなど)の権利にも否定的で、ユダヤ人の間でも差別が広がる可能性がある。

 政権は、すでに司法との争いを抱えている。最高裁は18日、過去に脱税などで有罪判決を受けているデリ内相兼保健相の閣僚就任を無効とする判決を下した。また、ネタニヤフ首相自身も汚職容疑で公判中だ。政権側は「司法改革」によって、これらの問題を解決しようとしている可能性もある。

 司法の弱体化はイスラエルだけではなく、右派や中道右派が政権を握る東欧のポーランドやハンガリー、中東のトルコでも起きている。ネタニヤフ政権は「他の民主主義国にある制度を、イスラエルでも導入するだけだ」と主張する。だが、イスラエルにあるヘルツェリア学際センターのヤニブ・ロズナイ准教授(比較憲法)は「イスラエルは他国と異なり、(政権を抑制する)システムが最高裁以外にほとんどない」と指摘する。

 ロズナイ氏によると、他国では政権の力を抑制するため、国会の2院制▽権力を分散する連邦制▽国民が欧州人権裁判所など国際的な裁判所にも訴えることができる――などの仕組みがある。だが、イスラエルには、いずれも存在しない。最高裁の判決を国会が「無効化」する条項はフィンランドやカナダにあるが、フィンランドでは国会で3分の2の賛成が必要であるなど、厳しい条件が付けられている。ロズナイ氏は、司法改革は「政権に絶対的な権力を与えるものだ」と指摘し、イスラエルの民主主義にとって「非常に大きなリスクだ」と警鐘を鳴らす。

 イスラエルはこれまで他のアラブ諸国とは違い、中東の数少ない民主主義国家として欧米から一目置かれてきた。だが、司法改革はイスラエルの国際的な評価を落とし、今後の外交関係に影響しかねないとの見方も出ている。

 司法界も、改革を強く批判する。今月12日には複数の元検事総長や元最高裁判事が、今回の改革は司法を「破壊しかねない」との意見書を発表した。

 大規模デモが起きた翌日の15日、ネタニヤフ氏は「司法改革を公約にした我々に(選挙で)数百万人の人々が投票した。彼らは改革を求めているのだ」と強調した。政権は3月末までに司法改革を巡る法案を可決する姿勢を示している。

 最終更新:1/19(木) 4:30 「毎日新聞」より
イスラエルで昨年末に発足したベンヤミン・ネタニヤフ政権、てかまた政権の座に返り咲いたネタニヤフ首相、何だかロシアのウラジミール・プーチンと同じだわ。
首相に返り咲いて早々閣僚が神殿の丘をゲリラ訪問して、またパレスチナ問題の火に油を注ぎかねない状況を作るなどまた緊迫の様相をもたらしかねないが、今度は最高裁による法律審査権限を制限するという一方的な司法改革に乗り出したことで「政権が絶対的な権力を持つことで独裁国家になりかねない」という懸念が出てきたみたいです。

最も右寄りなネタニヤフ政権、仮に司法改革がまかり通れば国際的な反発を招いているユダヤ人入植地の拡大が強まりそうだし、パレスチナ人やLGBTQの権利が蔑ろにされかねないことで、中東において最も民主主義が進んでいるイスラエルだが、敵対しているアラブ諸国同様権威主義かつ独裁的な国家に成り下がりません。
「司法改革を公約にした我々に(選挙で)数百万人の人々が投票した。彼らは改革を求めているのだ」と強気なネタニヤフ首相だが、自分の野望の為でしかない。

法の支配や人権擁護といったもんを無視して権力を強化しようとするネタニヤフ首相、やろうとすることはかつて自分たちを迫害・虐殺したナチス・ドイツのアドルフ・ヒトラーと重なるわ。ヒトラーは独裁者だがネタニヤフ首相もそうなりそうで恐ろしい。
ロシアのプーチンみたいにまた権力に返り咲いてやりたい放題しそうなネタニヤフ首相、そこまでして何をしたいんでしょうか・・・。

theme : 妄執政治を斬る。
genre : 政治・経済

欧米とますます溝を深めるイラン

反スカーフデモを力でねじ伏せたり、ロシアにドローンを提供したり、さらにこの問題で欧米とギスギスした関係となっているイラン、他国との関係をこじらせてまで強気を装う、やってることは中国や韓国、ロシアと変わらないんだが。

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米欧との関係一段と悪化 デモ強硬対応、風刺画問題も イラン

【イスタンブール時事】イランと米欧の関係が一段と悪化している。

 核開発やウクライナ侵攻を続けるロシアへのドローン供給を巡る対立に、イランで昨年9月に始まった抗議デモへの強硬対応が拍車を掛けた。仏メディアでの最高指導者ハメネイ師の風刺画掲載もイラン側の強い反発を招いている。

 国営イラン通信によると、イランでスカーフの強制着用問題をきっかけに昨年9月に始まった抗議デモを巡り、これまでに4人の死刑が執行された。司法当局は4人が治安要員に危害を加えたと説明して正当化するが、米欧は「残忍な弾圧」(米国務省報道官)、「自国の若者を殺害する体制に未来はない」(ドイツのベーアボック外相)と非難した。

 だが、AFP通信によれば、これまでに少なくとも17人がデモ関係で既に死刑判決を言い渡されている。イラン当局はデモ隊に心理的圧力をかけるため、今後も執行を続ける公算が大きい。

 一方、今月4日付の仏風刺週刊紙シャルリエブドは、デモ支援の一環としてハメネイ師をやゆする風刺画を掲載。イラン政府は「侮辱的で下品だ」(アブドラヒアン外相)と怒りをあらわにしており、イラン国内では保守派の抗議行動も展開された。ハメネイ師は9日、米国や一部の欧州諸国がメディアなどを通じて「(イランの)人々を(デモに)駆り立てようとする」と主張した。

 イラン政府は昨年、国内で深刻化する経済苦境の打開に向け、米国などによる制裁解除のための核合意再建への意欲を重ねて示してきた。しかし、年明けから関係悪化が進み、再建交渉で具体的な進展を図るのは困難な状況だ。

 最終更新:1/12(木) 7:12 「時事ドットコム」より
欧米とイランの関係が悪いという事実、こう言うと「当然だろ」って思われるかも知れないが、その事態が余計悪化しているみたいです。

核開発疑惑にロシアにドローンを提供、さらに最近では反スカーフデモを暴力で抑えたり(デモ参加に関与した人の一部を処刑)、その反スカーフデモを力でねじ伏せている最高指導者アリー・ハメネイをフランスの風刺週刊誌「シャルリー・エブド」誌が揶揄した風刺画を載せたことでイランとフランスの関係悪化をもたらしているけど、そのハメネイ師「(イランの)人々を(デモに)駆り立てようとする」反スカーフデモも「シャルリー・エブド」誌による風刺画も欧米が今のイランの体制を転覆させようと煽っているとの主張をしたが、コレって全部欧米が悪いって理屈?
韓国の反日じゃないけど、イランは自分たちにバツの悪い状況があるとすぐに「欧米が我々を転覆させようとしている」「悪いのは欧米だ」と言って国民の不満をそらそうとしているのでは? ただでさえ一般のイラン国民は経済制裁のせいで厳しい生活を余儀なくされているのに、そんな状況を改善してほしいと思うのも当然だが、平たい話が「欧米との関係を修復させてくれ」です。

人権よりもイスラム原理主義を遵守するイランの体制、欧米との関係を悪化させてまでムダに強気を装うその姿勢は北朝鮮と同類に見えるけど、イランの体制は現実ってもんを見ていないんですかね?
人権よりもイスラム原理主義を遵守する理屈、これがイスラム教に対する不当な偏見を助長している感じもしてならないんだが。

theme : 中東問題
genre : 政治・経済

スカーフ着用抗議デモとの関係は?

また一人女性の権利を巡る抗議で命を落としたみたいです・・・。
てか女性の権利を巡ってここまで来るって、現代ではありえない感じだ。

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インスタで抗議の16歳少女、遺体で発見 当局は8人逮捕 イラン

(CNN) イランの首都テヘランで9月に16歳の少女が死亡した事件をめぐり、治安当局が8人を逮捕した。イラン政府系メディアが4日に伝えた。

BBCペルシャ語放送によると、16歳のニカ・シャクラミさんは行方が分からなくなってから10日後に、テヘラン市内の拘置所の遺体安置所で見つかった。

シャクラミさんのおばが9月30日、BBCに語ったところによると、シャクラミさんは現地時間の同月20日午後5時ごろ自宅を出て、同7時ごろまではおばと連絡を取り合っていた。

友人がおばに語ったところでは、シャクラミさんは頭髪を覆っていた自分のスカーフを燃やす様子をインスタグラムに投稿し、治安要員に尾行されていると訴えていたという。

その後、家族とシャクラミさんの連絡が途絶え、10日後に家族が拘置所の遺体安置所で遺体を確認した。

「私たちが身元確認に行ったときは、彼女の体は見せてもらえず、顔だけをほんの数秒、見せられた」とおばはBBCに話している。

政府系のタスニム通信はシャクラミさんについて、テヘラン市内の民家の裏庭で9月21日に死亡しているのが見つかったと報道。シャクラミさんが隣の建物に入る防犯カメラの映像を警察が確認したと伝え、死亡した経緯は不明としている。シャクラミさんが警察に殺害されたという「外国メディア」の主張を裏付ける証拠はないとタスニム通信は伝えている。

政府系のファルス通信は5日、最後にシャクラミさんをとらえたとされる防犯カメラの映像を公開した。

ファルス通信が警察と司法機関から入手したというこの映像には、歩いて路地から家の中に入る人物が映っている。この人物はドアを通る際にマスクを下ろしていたが、身元の判別はできなかった。

ファルス通信は「これがニカ・シャクラミさんの最後の映像だった。その7時間後に遺体が発見された」と伝え、シャクラミさんは携帯電話を持っておばの路地の近くの建築中の住宅に入って行ったと伝えている。

タスニム通信によると、逮捕された8人は、シャクラミさんが入ったとされる建物で働いていた。

国営イラン通信によると、テヘランの検察は事件として捜査を開始したと述べ、シャクラミさんの遺族に哀悼の意を表した。

イランでは、服装を問題にされて道徳警察に逮捕された22歳の女性が死亡した事件を発端として、全土で抗議デモが巻き起こっている。

最終更新:10/6(木) 12:29 「CNN.co.jp」より
つい最近スカーフ着用を巡って道徳警察に逮捕された女性がその後不審死した事件がきっかけで、抗議デモが拡大しているイラン、今度は16歳の少女が不審死したと言うけど、またスカーフ着用を巡る問題が原因で起こったのだろうか? 何とも痛ましい。

この少女は頭髪を覆っていたスカーフを燃やすところをインスタグラムに投稿し「スカーフ着用の強制は女性の権利を侵害する」とアピールしたが、やっぱスカーフ着用への抗議姿勢に映ります。
その後治安要員、即ち宗教警察に連行されたとしか考えられないが、あの後宗教警察によって殺害されたのだろうか、てかここまで来ると人権侵害を通り越した野蛮な行為だ。宗教警察のしたことは。

スカーフ着用を巡る抗議デモがこういう事件にも発展、それを力で鎮圧しようとする宗教警察というかイラン政府、人権意識よりイスラムの教えですか? 大事なのは。
それとこの前イブラヒム・ライシ大統領が国連本部にてCNNの女性記者からインタビューを受ける際に「スカーフを着用しなければ応じない」なんて屁理屈言ったけど「郷に入りては郷に従え」ってことわざを知らないんですか? これもイスラム教が一神教なせいか、よそに行っても自分たちの価値観に固執するきらいがあるんでしょうけど、他国、それもイスラム国家じゃないところでイスラムの価値観を押し付けるなって言いたくもなる。

とにかく、これ以上スカーフ着用を巡る問題で女性の犠牲者がこれ以上出ないことを願うばかりです。スカーフに対する風評被害ももたらしかねない。

theme : 人権
genre : 政治・経済

スカーフ着用を巡る問題

女性の権利かイスラムの教えか、日本人からすれば分からない問題です。

引用

イランで抗議デモ拡大 スカーフ着用めぐり拘束された女性死亡

【カイロ=佐藤貴生】イランの首都テヘランで先週、国教のイスラム教に準じた服装をしていないとして警察に拘束された女性が死亡し、国内各地に抗議デモが拡大している。昨年就任したライシ大統領は保守派の聖職者で、女性の服装の取り締まりが強化されるとの見方が出ていた。

死亡したのは西部クルディスタン州出身のマフサ・アミニさん(22)。ロイター通信によると、テヘランに滞在していた先週、頭髪を覆うスカーフ「ヘジャブ」の着用の仕方が不適切だとして、風紀を取り締まる警察に拘束された後に死亡した。

警察は心臓発作が原因だとしたが、父親はアミニさんに健康上の問題はなく、拘束中に足を負傷して苦しんでいたと述べ、警察に責任があると主張した。

これを受け、アミニさんの出身地クルディスタン州のほか中部イスファハンなどに抗議デモが拡大。治安部隊が鎮圧に乗り出して少なくとも3人が死亡した。イランの人権団体は13の都市でデモが行われ、250人が拘束されたとしている。テヘランでは最高指導者ハメネイ師を非難して行進する一団もいたという。

イスラム教シーア派の法学者が統治するイランでは、女性はヘジャブで頭髪を覆い隠すよう義務付けられている。自由を求める女性の間では反発が強く、数年前には抗議のためにヘジャブを脱いだ動画をSNS(交流サイト)に投稿する運動が広がり、数十人が拘束された。

最終更新:9/21(水) 8:24 「産経新聞」より
女性はスカーフ(ヒジャブ)で頭髪を覆い隠すことが義務化(無論これは外国人にも適用される)されているイランで、ある女性がキチンとスカーフを着用しなかったことから警察に拘束されたあとに死亡するという事件が起こったけど、かねてからスカーフ着用の義務化が賛否両論割れているイラン「もうスカーフ着用はゴメンだわ」ってSNS上で抗議の投稿が相次ぐなど、自由を求める女性からこういう声が挙がっているけど、今イランにおいてスカーフを問題が表面化しているみたいです。

現にイラン全土でスカーフ着用を強制するなと言う抗議デモも拡大しており、またテヘランでは最高指導者アリー・ハメネイ師を名指しで避難する声もあり、スカーフ着用強制反対=イスラム革命体制反対。につながりかねませんが、スカーフ着用を巡る問題はイスラム革命体制への反発にもつながってるってこと?
イスラム革命体制は女性を抑圧しているというイメージをイラン国内外に発信したくて行動しているかもしれないが、イラン政府やイスラム法学者にすれば政権転覆されることを懸念しているんでしょうね。批判の矛先が自分たちに向けられないようにアメリカとイスラエルを悪く言ってガス抜きするなんて安易な考えにも走りそうだが。中韓の反日じゃないけど。

女性を大切にしているというイラン側の認識だが、逆に海外、特に欧米からすれば女性を抑圧しているという印象を持つイランにおける女性はスカーフ着用を義務化。これも欧米とイスラムで対立しやすい問題かも知れないけど、宗教がらみだと複雑だ・・・。

theme : 人権
genre : 政治・経済

ガザ空爆は忘れた頃にやってくる

本日8月6日は広島原爆忌、核廃絶と平和を訴えるべき日なのですが、世界ではウクライナを筆頭に今も紛争状態にある国というか地域があるのも事実です・・・。

引用

ガザ空爆のイスラエル、武装組織「イスラム聖戦」司令官を殺害…ラピド首相「的確な作戦」

 イスラエル軍は5日、パレスチナ自治区ガザ地区を空爆し、武装組織「イスラム聖戦」のタイシール・ジャバリ司令官を殺害した。ガザ保健当局は、空爆で少なくとも子供1人を含む10人が死亡、79人が負傷したと発表した。

 イスラエル軍の声明によると、ジャバリ氏はイスラエルに対するロケット弾攻撃を指揮しており、準備にあたった工作員も空爆の標的となった。

 イスラム聖戦は報復として、イスラエルに100発以上のロケット弾を発射したが、イスラエル軍の対空防衛システム「アイアン・ドーム」が迎撃した。イスラエル側でけが人は確認されていない。

 イスラエル軍は1日、ヨルダン川西岸ジェニンでイスラム聖戦の幹部を拘束した。これに対してイスラム聖戦が報復を宣言し、緊張が高まっていた。

 イスラエルのヤイル・ラピド首相は5日、「イスラエルは差し迫った脅威に対して的確なテロ対策作戦を実施した」との声明を出した。一方、ベニー・ガンツ国防相は5日、予備役2万5000人の招集を承認した。衝突の長期化に備えた動きのようだ。(エルサレム支局 工藤彩香)

 最終更新:8/6(土) 12:46 「読売新聞」より
武装組織「イスラム聖戦」の司令官を空爆にて殺害したイスラエル、5日にパレスチナ自治区・ガザ地区を空爆したことでこの事実が明らかになったけど、忘れた頃にドンパチが起こるガザ地区、終わりの見えないイスラエルとパレスチナの対立を象徴するものです。

この司令官はロケット弾でイスラエルを攻撃したものの、イスラエル軍の対空防衛システムによって撃墜され、さらに今月1日にヨルダン川西岸地区・ジェニンでイスラム聖戦の幹部が拘束されたことで「イスラエル許すまじ」とイスラム聖戦が報復を宣言したことから再び緊張の度合いが高まったってのが大まかな流れだが、行き着いた先はイスラエル軍によるイスラム聖戦の司令官殺害ですか・・・!? これがイスラム聖戦及びイスラム原理主義組織「ハマス」を刺激しそうでまた泥沼化しそうだ。
「イスラエルは差し迫った脅威に対して的確なテロ対策作戦を実施した」とイスラエルのヤイル・ラピド首相は声明を出したが、対パレスチナ制作で強硬な姿勢を取ることでイスラエル国民の支持を集める気です。

それにしても、忘れた頃にドンパチが起こり、今のウクライナのような荒廃した状況に常になっているガザ地区、長年の対立がこうさせているかも知れないけど、一時期はイスラエルの一方的すぎる入植活動もあってパレスチナ人とユダヤ人の対立が激しくなったのは事実だし、ガザ地区ほど平和とは程遠い地域もないってことだ・・・。
核廃絶(これ以上のロシアによるウクライナへの軍事侵攻への反対も)を叫ぶ声は高まっている一方で、イスラエルとパレスチナはこれ以上紛争を止めろという声が聞こえないのって何とも皮肉。

theme : 中東問題
genre : 政治・経済

「核開発は技術的に可能だ」

ウクライナ情勢などに目が行きがちだが、こちらの情勢も放っておけない問題なり。

引用

イラン、核兵器製造「技術的に可能」 元外相

【7月18日 AFP】イランの元外相で、同国指導部の諮問機関のトップを務めるカマル・ハラジ(Kamal Kharrazi)氏は17日、同国にとって核兵器の製造は「技術的に可能」だが、その決定は下されていないと語った。

 ハラジ氏はカタールの衛星テレビ局アルジャジーラ(Al Jazeera)に対し、イランには「核爆弾を製造する技術的な能力がある」とする一方で、政府は「製造に向けた決定は下していない」と説明。

 また、「(イランの)機密施設が標的にされた場合」に備え、イスラエル国内を攻撃できるよう大規模な演習を実施したことも明らかにした。実施時期には言及しなかった。

 先週中東を歴訪したジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は14日、イスラエルのヤイル・ラピド(Yair Lapid)暫定首相と会談し、イランの核兵器保有阻止に向け、安全保障分野での協力関係を強化する「エルサレム宣言(Jerusalem Declaration)」に署名した。

 米国は宣言の中で「イランによる核兵器保有を決して許さない」と明言、そのためには「国力を総動員する用意がある」と表明した。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)前政権は2018年、イランの核開発計画を制限する代わりに制裁を解除する2015年の核合意を離脱し、制裁を再開。その結果、イランは核合意から逸脱した動きを取っている。

 一方でイランは、核合意の正常化を図ってきた。しかし今年3月以降、核合意再建交渉は暗礁に乗り上げている。

 交渉の期限について米国の方針を問われたバイデン氏は、「永久に待つつもりはない」と回答。

 これに対しイラン政府は17日、米政府は中東の緊張をあおっていると非難した。

 「国際ニュース『AFPニュース』」より
アメリカのジョー・バイデン大統領が先週に中東を歴訪し、サウジアラビアイスラエルと会談してイランの核開発問題に触れ、イランの核保有を阻止すべく安保分野での協力関係強化を進めたが、これに対してイランは「核爆弾を製造する技術的な能力がある」とカタールの衛生テレビ局「アル・ジャジーラ」にて主張を展開したけど、イランの主張は我々はいかなる時でも核兵器を保有する自信がある。だが最終的な決定は出していない。と訴えたが、逆にイラン国内の機密施設が攻撃された場合「イスラエルを大規模攻撃できるよう軍事演習を実施する」と核開発の正当性を訴え、イスラエルを攻撃すると脅しをかけてきたみたいです。

アメリカが一方的に脱退したことで骨抜き状態にあるイラン核合意、イランは核合意の正常性を図っているもののアメリカは交渉に応じようとしておらず「永久に待つつもりはない」とイランに忖度する気ゼロな姿勢を取ってるが、だったらアメリカ、北朝鮮に対して言うべきじゃないのか!?

交渉に応じようとしないアメリカに対してイランは「アメリカこそ中東地域の緊張を煽っている」と反論したが、逆にムダに強気を装ったところで平行線のまんまなんだが。
アメリカの狙いは相変わらず反米を「国是」とするイスラム革命体制を転覆させることなんでしょうかねェ・・・!?

theme : 国際問題
genre : 政治・経済

極右ユダヤ人「アラブ人に死を」!?

やっぱ選民思想の持ち主だって思います。
これがかつて迫害され、ナチスによるホロコーストに遭った民族とは思えないわな。

引用

極右7万人がデモ パレスチナ人と衝突、負傷者も エルサレム

【エルサレムAFP時事】エルサレム旧市街で29日、ユダヤ人極右勢力らがパレスチナ人が暮らす地区を大挙してデモ行進した。

 反発するパレスチナ住民とイスラエル治安部隊などが衝突し、赤新月社によれば、パレスチナ人79人が負傷した。

 この日は1967年のイスラエルによる東エルサレム占領の記念日に当たる。エルサレム市内での行進には約7万人が参加し、イスラエル国旗を誇示。一部は「アラブ人に死を」と叫んだ。これに対し、パレスチナ側は屋根の上から物を投げつけるなどして対抗した。

 エルサレムには3000人以上の警官が配備され、「騒乱を引き起こした」として60人以上が拘束された。占領地ヨルダン川西岸でもパレスチナ人とイスラエル治安部隊の衝突が発生した。

 旧市街の入り口にいたオフェル・アマルさん(18)はAFP通信の取材に「ここはわれわれの国だ。それだけだ。パレスチナ人は客人にすぎない」と話した。

 最終更新:5/30(月) 14:48 「時事ドットコム」より
イスラエルエルサレム旧市街で29日、ユダヤ人極右勢力がパレスチナが暮らす地区でデモ行進を行ったけど、この日は1967年にイスラエルが東エルサレムを占領したイスラエルにとって記念すべき大事な日だったことから、エルサレムはイスラエルのものだと主張する目的でやったとしか言い様がありません。

これについてパレスチナ側が「我々の聖地を土足で踏み込んできやがって許さん!!」と抵抗してパレスチナ人79人が負傷する顛末となったが、またイスラエルとパレスチナの対立が蒸し返しそうでならない。現にヨルダン川西岸地区でもパレスチナ人とイスラエルの治安部隊による衝突が起こったって言うし。

エルサレムでの行進はイスラエル国旗を掲げて「エルサレムは我々のものだ」と声を上げ、一部が「アラブ人に死を」なんてアラブ人を排斥、殺害することを扇動するような言動を取ったけど、やっていることはかつて自分たちを迫害・虐殺したナチスみたいだ。
こういう人たちは「ユダヤ人こそが選ばれた人種だ!! アラブ人などこの世から滅ぼしてしまえ!!」って言わんばかりだが、典型的な選民思想の持ち主かつ人種差別主義者もいいところで、頭がイカレてんじゃねェのかと言いたくなる。これが結果として反ユダヤ主義を煽ることになるんだが。

theme : 中東問題
genre : 政治・経済

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